内容説明
八十四年の生涯で発表した三冊の短篇集によって、アメリカ文学界の尊敬を受け続けるカリスマ女性作家、グレイス・ペイリー。その短篇を「ひとつの小さな宇宙である」と評し、三十年近くの歳月をかけ全作品を訳出してきた村上氏による、第三にして最後の作品集。十七の短篇に、エッセイ、ロングインタビュー、訳者あとがき付き。
著者等紹介
ペイリー,グレイス[ペイリー,グレイス] [Paley,Grace]
1922~2007。1922年ニューヨーク生まれ。ロシアからのユダヤ系移民の家庭に育つ。詩人として創作活動を始め、59年に短篇集「人生のちょっとした煩い」を発表、74年「最後の瞬間のすごく大きな変化」、85年「その日の後刻に」の3冊により作家としての名声を確立、アメリカ文学シーンのカリスマ的存在となった。2007年8月、84歳で永眠
村上春樹[ムラカミハルキ]
昭和24(1949)年京都市生まれ。作家。訳書に「レイモンド・カーヴァー全集」、スコット・フィッツジェラルド「グレート・ギャツビー」(ともに中央公論新社)、J・D・サリンジャー「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(白水社)、トルーマン・カポーティ「ティファニーで朝食を」(新潮文庫)、「誕生日の子どもたち」、ティム・オブライエン「本当の戦争の話をしよう」(ともに文春文庫)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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北風
13
一人称の語りが、状況を把握することができなくて戸惑い仕切り。んー、理解し難かった。2020/09/09
まさ☆( ^ω^ )♬
6
「人生のちょっとした煩い」「最後の瞬間のすごく大きな変化」を読んで、ちょっと難解だなあと思い間が空いてしまいましたが、第三の短編集である本作をようやく読む事が出来ました。意識してゆっくり噛み締めながら読みましたが、やはり分からない所が多々ありましたね。でも、前2作の時よりは読めた気がします。面白いって思えました。巻末のインタビューがまた良いです。このインタビューを先に読めば良かったかも。また、全3巻を再読したいと思いました。2023/01/16
氷柱
4
1076作目。5月6日から。風変りな作品群。どこがどう風変りなのかをしっかり汲み取らないと物語を楽しむことができない。ズレを味わうタイプの作品なのだろう。独特なリズムで進んで行く短編集だ。2024/05/10
バナナフィッシュ。
4
好きな著書の最後の著書。生涯で3冊しか書き記さなかったこともあり、どれもマスターピースである。そして3冊目。どれどれ。ペイリーの造る世界は何処とも似ずにいい意味でぶきっちょなのだが(ぶっきらぼう)、この作品にもそれは当てはまる。教育のある中産階級的やっかみおばさんと通行人のやりとりが正にそれ。いい味を出す、干物みたいな読了感。2020/05/20
sashawakakasu
3
旅のお供に読んだ。難しい短編たち。2025/01/05