出版社内容情報
槍折れ術で佐々木磐音と渡り合い、幽玄な餅搗きを披露する男の正体は? 一方、高知城下に着いた重富利次郎を待ち受けていたのは…。
内容説明
年の瀬、門弟の餅搗きで賑わう尚武館を武芸者が訪れる。勝負を受けた佐々木磐音だが、相手は六尺棒の槍折れ術を操るかなりの腕前。筑前訛りの愛矯あるこの男を見込み、なんと磐音は道場の居候を願う。一方、門弟の重富利次郎は藩目付の父と高知に到着。落ち着く暇なく、密命を帯びた父が襲われた。利次郎を待ち受けるものは?
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
95
この巻では主人公の江戸での話と主人公の剣道の弟子で土佐藩家臣の次男が父親と一緒に土佐藩へ戻っていく話の二つがあります。前の話では長屋に住んでいる人物や同乗の弟子入りを果たす九州の剣豪の話です。あとの話は親子が土佐藩での藩内に巣くう頭の黒いねずみ退治を行います。2020/06/12
とし
69
決定版・居眠り磐音「侘助ノ白」30巻。江戸の神保小路でも色々とありますが、でぶ軍鶏こと重富利次郎さん、高知にて土佐藩山内家近習目付の父百太郎を助ける活躍が光りますね。2020/10/25
yamatoshiuruhashi
34
でぶ軍鶏・利次郎は土佐城下へ到達。土佐での話と江戸の話とが交錯する本巻。土佐も関前と同じように藩政改革の前に内紛の予兆があり、利次郎もその渦中へ。2020/05/17
うららん
15
父と旅に出た利次郎は長い高知へ到着し見違えるように頼もしくなる。霧子の成長も嬉しくこの2人の今後が楽しみ。一方江戸では尚武館に槍折れの武芸者小田平助が加わり新たな仲間も増え物語は賑やかな年明けでした。2021/12/24
紅葉
13
今回は磐音の弟弟子、でぶ軍鶏こと利次郎が、密命を帯びた父と訪れた高知で大活躍。この磐音も30巻となり、若者の成長も著しくて、なんだか母親のような気持ちになってしまった。磐音が強すぎて安定もしてしまったので、利次郎の成長と危うさが良いスパイスになりますね。どこまで強くなれるのか期待してしまいます♪霧子との仄かな恋も初々しいですしね。そして江戸にいる磐音たちには新たに強力な助っ人が登場。その小田平助、なかなか謎が多そうですが、愛嬌があり頼もしい人柄、槍の腕前も素晴らしい。この先どう展開していくのか楽しみです。2020/10/29