出版社内容情報
女子校育ちの九〇年代、痴漢だらけの満員電車で通学しつつコンプレックスに悩み、メガネ男子やタカラヅカ、献血が気になったあの頃。
内容説明
90年代、痴漢だらけの満員電車で都内の女子校へ通学する思春期を過ごしつつ、メガネ男子に萌え、16歳で献血を初体験。大足コンプレックス、恋愛、化粧、三十路で開眼したタカラヅカ…。「変わってる」「非モテのオタク、腐女子」と言われようと、世界のハジッコでつぶやき続ける著者会心のデビュー作。
目次
第1章(ハジの多い人生;私は普通の人間です ほか)
第2章(遭難する準備はできている;亡き就活生のためのパヴァーヌ ほか)
第3章(気にしているのがイイ話;キレイはきたない、きたないはキレイ ほか)
第4章(タカラヅカなんて嫌いだ!(った)
恋とはどんなものかしら ほか)
第5章(「去年インターネットで」;バビロンまでは何キログラム? ほか)
著者等紹介
岡田育[オカダイク]
1980年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。中央公論新社で雑誌「婦人公論」や文芸書の編集に携わり、退社後の2012年よりエッセイの執筆を始める。『ハジの多い人生』がデビュー作。現在はニューヨーク在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はるき
23
恥ではなく端っこのはじ。よく考えれば、中央より周辺の方が広いんですが、何故か少数派扱いなのです。自分に正直な文章が、女性から喝さいと苦笑をもらいそうです。これがリアルですが、男性は苦手だろうなぁ。2020/04/17
水色系
19
ジュンク堂のフェア、「最果タヒ書店」で見かけたのがきっかけ。ハジ=端、≠恥。イケてない女子学生だった話は我がこととして共感。住んでいた/いるのは地方都市であるのが関係しているのかワシはもうちょいうすぼんやり生きてきたよのう…と思った(何の話だ)。もちろんもともとの性質がボンヤリしてるのは前提として。2023/12/11
法水
5
『アトロク』がきっかけでお名前を知った岡田育さんの著書を初読み(解説は宇垣美里さん)。「ハジ」は恥ではなく端。『アルプススタンドのはしの方』の「はし」と同じですな。日常の何でもないようなことをこれだけ言葉数を尽くして書けるというのは一種の芸当と感心してしまうが、とりわけ「欲望という名の満員電車」のパートは感銘を受けた。田舎町に生まれ、小中は徒歩、高校は自転車、大学の最初は2年こそ電車通学だった私と6歳で満員電車で世の大人どもを見てきた著者とではそりゃあ見てきた風景がまるで違うよなぁ。2020/12/31
pandakopanda
3
タイトルの「ハジ」とは「端」の意らしい。岡田育さんはこの本で初めて知りました。こじらせすぎではという箇所もあったけど、正直な人だなというのが真っ先に思った感想。自分は小学生の頃から満員電車は体験してないし、住む世界は全然ちがうけど、女子高生活の部分では共感したところも。解説は宇垣美里さんで、なんか納得。2021/08/14
ひじき
3
著者のデビュー作であるエッセイ集。イケてない女子だった時代、女子高、一人暮らし、コンプレックス、趣味のことなどを絶妙な文体で書いている。シニカルなようで熱く、筋が通っていてほどよい水分量(ややドライめが好きなので)。少し歳上の都会住まいの人だと身の回りにこんなことが起こるのか!?とも思ってしまうのだけど、自分がぼんやり生きすぎていたのもあるし、結局あっちはあっちのハジでこっちはこっちのハジなのだな。他人のハジを見るのはそれこそ異世界転生みたいなものかもしれない。片や満員電車の、片や毎日ハイキングの小学生。2020/11/16