出版社内容情報
母親が病死し、父の金兵衛と二人で住む長屋に赤子を抱いた訳ありの浪人者夫婦が流れ着く。おこんの今津屋での奉公までを描いた新作。
内容説明
父親の金兵衛と二人で暮らす十四歳のおこん。その長屋にある日、下野国から訳ありの侍・曽我蔵之助夫婦が幼子を連れて流れ着く。母を亡くしたばかりのおこんに姉のように接してくれる女房の達子だったが―。「妹と姉」に加え、今津屋番頭の由蔵との出会いをきっかけに奉公に至る「跡継ぎ」と、若き日のおこんを描いた新作二編。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。「密命」シリーズを皮切りに次々と作品を発表して高い評価を受け、“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。著書多数。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
111
シリーズのスピンオフ作品です。主人公はおこんの少女時代のもので2作の中編が収められています。両方共のその後のおこんを髣髴されるような有様で主人公の小気味よさが光ります。あとの作品はほかのところで読んだ覚えがありましたが再度読むとまた楽しめました。2020/05/17
やま
107
新・居眠り磐音4作目〈番外編〉2020.04発行。字の大きさは…大。 妹と姉、跡継ぎの中編2話。 坂崎磐音の妻・おこんの若き日の逸話2作。 【妹と姉】は、金兵衛長屋に下野黒羽藩の山守・曽我蔵之助が妻・達子と乳飲み子・小春を連れて藩の不正をただすために出府してくる、おこんは達子を姉と慕う。 【跡継ぎ】は、15歳になったおこんが両国西広小路の両替商・今津屋に奉公することが決まり。そして番頭・由蔵の危難をおこんが救う。 この「新・居眠り磐音」は、居眠り磐音江戸双紙の番外編です。→2020/06/03
とし
83
新・居眠り磐音「おこん春暦」 4巻。聡明で美人なちゃきちゃき13才のおこんさん楽しく面白く読了でした。2020/10/12
雅
66
おこんの昔を描いたスピンオフ。チャキチャキの江戸っ娘。啖呵が気持ちいい。金兵衛もいいキャラしてる2020/12/08
TakaUP48
52
「姉と妹」おこん14歳のとき、金兵衛長屋に羽黒藩の山守・曽我藏之助・達子一家が転がり込んできた。藩の上司と材木問屋との不正を、江戸在住の藩主に訴えようと命を賭けてやって来た。朴訥純真な田舎者一家とおこんとの愛情溢れる付き合い。おこんと達子はまるで姉妹のような温かな打ち解け方。一件落着で一家が、置き手紙で去る。何とも涙する状況だ。達子の妹・おこんへの言葉「信念を持って自分の道を切り拓け」とは、後の今津屋奉公にも生かされて行く。「跡継ぎ」は、何処かで読んだような…、それは秘密!ひとときの巡り会いは、春暦。2020/04/28
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