出版社内容情報
かつての許婚・奈緒が身請けされた紅花問屋前田屋が、乗っ取りの危機に瀕する。その一報に、佐々木磐音は、一路、出羽山形を目指す。
内容説明
かつての許婚・奈緒が身請けされた紅花問屋前田屋が、取り潰しの危機に瀕している―。抜き差しならない一報を受け取り、事態を憂慮した佐々木磐音は、一路、出羽山形へと急ぐ。次第に判明する、紅花商いの利をめぐる山形藩内部の対立、そして黒幕の正体…。騒動の鍵を握る文書を携え身を隠す奈緒。磐音は再会できるのか!?
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。“文庫書き下ろし時代小説”という新たなジャンルを確立する。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
87
今回は主人公の幼馴染、以前の婚約者が山形に行って幸せに暮らしていると思いきや、山形の紅花にからむ利権と藩の意向などに翻弄されています。その困難を打破するためにわざわざ山形まで行ってその境遇から救い出します。いつもながらありえないとは思うものの主人公の活躍はストレスを発散させてくれます。2020/04/02
とし
71
決定版・居眠り磐音「紅花ノ邨」 26巻。磐音の許嫁奈緒、紅花問屋前田屋に身請けされ山形で幸せに暮らしていると思われていたが前田屋に危機が、知らされた磐音山形へ、じけんは解決するも、磐音と奈緒の別れは切なかったですね。 2020/10/04
yamatoshiuruhashi
33
磐音は佐々木道場の養嗣子となりおこんさんとやっと結婚したかと思ったら奈緒の身に大事が起こり、またも旅の人に。こうでないとお話が続かないとは言え大変な人ですね。今回は山形へ。黄色い紅花の咲き誇るさまが目に浮かぶ描写の中に凄惨な光景も繰り広げられる。特産品の「専売化」を藩の建て直しに使うのは伝家の宝刀であるが、生産者、商人の協力を得られねば画餅に帰す。成功と失敗の分水嶺も主題の一つだと思う。天童、楯岡をはじめ若い頃の勤務地周辺の個人的に懐かしく馴染みのある地名が道を追って出てくるのも本書の楽しみだった。2020/03/18
うららん
17
身請けされ幸せになったと安堵していた奈緒が嫁ぎ先の山形藩の陰謀にまたも窮地にたたされていると知らせを受けた磐音。西の丸様の警護も気になるが山形へ旅立つ。今度こそ奈緒には幸せになってもらいたい。2021/05/09
紅葉
12
ここで奈緒がまた現れるなんて。磐音とおこんがやっと落ち着いた矢先、奈緒が身請けされた紅花問屋の前田屋の危機を知らされ、奈緒を救うため磐音は山形に。前田屋は山形藩家老の陰謀に嵌められた形だった。奈緒の為だけでないのでしょうが、磐音は人の為に働きすぎる人。知ってしまったら、知らないふりは出来ない。意図せずそれが出世に繋がり、人望も厚い。身近な人間にとっては辛いかもしれないですね。おこんはそういう磐音と知ってはいても。 ちょっと複雑な気持ちになる26巻でした。 黄色い紅花から紅が作られる様子は見てみたい。2020/10/03
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