出版社内容情報
アメリカの剣客、策士と暗号、武士と言葉、ある会津人のこと、太平記とその影響など、小説の舞台裏話も知ることができる雑文集。
内容説明
人間の何事かについて小説の構想を考えているとき、無数の、といっていいほどの無駄ばなしが脳裏を去来する―「アメリカの剣客」「策士と暗号」「武士と言葉」「日本人の名前」「太平記とその影響」など、司馬さんが小説には書ききれなかった、こぼれ話の数々。読み始めたら止まらない歴史好き垂涎のエッセイ集。
目次
話のくずかご
要らざる金六
ある会津人のこと
太平記とその影響
日本的権力について
霍去病の墓
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語部卒業。昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、「街道をゆく“南蛮のみち1”」で日本文学大賞受賞。62年、「ロシアについて」で読売文学賞受賞。63年、「韃靼疾風録」で大佛次郎賞受賞。平成3年、文化功労者。平成5年、文化勲章受章。平成8(1996)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
55
面白かったです。雑談をつらつら紡いでいるだけなのに引き込まれます。歴史好きとして興味深いエッセイでした。2020/09/07
Shoji
38
司馬遼太郎の物語に出てくる余談、大好きだ。そんな余談ばかりを集めた本です。雑談と言えば雑談かも知れませんが、面白い。「司馬史観」と言う立派な四字熟語で形容されるほどの知識と表現力を持つ著者だけあって、ただの雑談ではありません。後醍醐天皇の前と後で世の中はどう変わったのか、松永久秀の功罪をどう解釈するかなど、「ほー、なるほど」と感嘆しながら読了しました。2020/02/29
Yuma Usui
25
歴史こぼれ話のエッセイ集。一つひとつが面白く読めた。西郷隆盛と西郷従道の名前がどのように決まり後世に残ったかといった話が意外すぎて思わず笑みが。また、柳里恭についての人物評も面白い。著者の司馬遼太郎は、日本でレオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵するのは平賀源内ではなく柳里恭ではないかと思うほどの多才ぶりに感心しており、自分も今回勉強になった。内面においても21歳にして色恋について老境に達しているかのような名言があり面白い。歴史の表舞台に立たない人物でも多彩多様な人が居るという当たり前の事に気付かされた。2023/08/27
都人
4
あとがきに曰く。「かって書いたむだばなしのようなものを集めて本にしたい」という話が文藝春秋からあって、最初は気乗り薄だったという。22編のエッセイ集だが、それなりに彼の書く物は各々重みがある。トリビア風で面白く拝読した。2024/02/06
kiiseegen
4
新装版にて再読。2020/04/07