出版社内容情報
関前藩の御用船で久々の帰国を果たした磐音。おこんとともに父母らの歓待を受けるが、藩内では物産所の利を巡って思惑が交錯し……。
内容説明
坂崎磐音とおこんは危難に満ちた船旅を経て豊後関前藩へと辿り着く。母・照埜と念願の対面を果たすおこん。そして二人は、藩政改革の犠牲となった幼馴染み達の墓参りへと向かう。そこは、城下からは離れた山寺であった。やがて、改革の柱である藩物産所の利をめぐる不穏な動きが明らかに。またもや父・正睦の身に危険が迫る!
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年、北九州市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。デビュー作『闘牛』をはじめ、滞在経験を活かしてスペインをテーマにした作品を発表。99年、時代小説に転向。2018年、菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
101
最新刊の2巻をあっという間に読んでしまいました。今回は主人公とその婚約者が国元に向かい航海をして主人公の家族たちに再会します。そこでは国がもとのように豊かになるにつれ頭の黒いねずみや悪い輩がはびこる兆しが出てきます。それとの対決が中心となっています。いつもの通りに強い主人公の活躍が見られます。一緒についてきた佐々木道場の門弟もこれから諸国武者修行ということでの活躍が期待されています。2019/12/18
とし
70
決定版・居眠り磐音「鯖雲ノ城」21巻。おこんさんと磐音の故郷豊後関前藩へ、父正睦の身に危機が明和九年騒動の再現が、のんびりとさせてもらえなかったですね。おこんさん正睦、照埜に認められ無事仮祝言が行われ、琴平、慎之輔、舞の化身秋茜に見送られ良かったですね。2020/09/05
yamatoshiuruhashi
32
脱藩浪人ながら藩主に許され帰国する磐音。毎度のことながら剣に強く、女性にもてて、人格者という非の打ち所がない設定に、おとぎ話の嬉しさ、楽しさを見つけ出す。しかし一つの改革がなされれば、その次の体制の中でまた似たような不正が芽生えるとは、世の習いとは言う者の21世紀の現代ではもっと人類社会も進歩していてほしいと、星にお願いしたいくらいです。2019/12/24
うららん
14
悪者も成敗しおこんさんと磐音の仮祝言も終わりいよいよ次回は江戸へ帰ります。東源之丞良かった〜2021/02/16
紅葉
11
2人は磐音の故郷、豊後関前藩へ。豊後は大分ですよね。関前という地名は架空のものだそうですが。おこんを見る人々の驚きがすごい。どこに行ってもこんな別嬪さんがいるなんて‼︎と大騒ぎ(笑)奈緒も吉原でトップを争う太夫でしたし、そんな美人さんの心を掴む磐音はすごい。しかし故郷でも磐音は休んでられません。父正睦と磐音たちが育てた江戸での藩物産商いをめぐり、正睦や東が襲われる事態に。ここでも磐音の腕が役に立ちましたね。江戸からついてきた辰平くんの成長も著しく微笑ましかったです。次は2人博多に寄るよう。旅したいな〜〜。2020/09/04