出版社内容情報
井伊家再興の星として出世階段を駆け上る直政。命知らずの直政に振り回されながら傍で見守り続けた木俣守勝の目からその生涯を描く。
内容説明
その男は、たった一人の井伊家再興の希望だった。家康に寵愛され、その苛烈さから「赤鬼」と呼ばれた井伊直政。命知らずの直政に振り回され、時に反発しながらも支え続けた木俣守勝。「お前の“主君”はだれだ―?」大河ドラマに先駆けて直虎の生涯を描いた『剣と紅』に続く、渾身の歴史エンターテインメント!
著者等紹介
高殿円[タカドノマドカ]
兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア 三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞してデビュー。現代舞台の作品から時代ものまで、幅広い作風とストーリーテリングの巧みさで人気を得る。ドラマや舞台となった作品も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
16
歴史通にも、為りたいですので、この手の本は精力的に読みたいですが。矢張博学と思えるほどの知識もなく、読み始めてから、そうなんかと思いながら読みました。井伊の赤鬼の話は、まさしく迫力があり歴史の一翼を担ったのだと思うと。当時の武士の存在を強烈に垣間見たように思いました。2019/12/27
はちこう
7
普段は娯楽小説や漫画の原作等も書いている著者が挑んだ歴史小説。以前、井伊直虎の小説を書いたことが直政を書こうと思ったきっかけなのだろうか。解説がEXILEの小林直巳とは随分豪華だ。本書には「主君とは何か?忠義とは何か?」と現代にはそぐわないようなテーマが流れている。物語は直政の家老木俣守勝の視点で描かれる。何かと報われない守勝だが、それでも直政を支え、家康への忠義を貫く。後半の、直政が守勝に「誰に仕えた」と問う場面、直政の死後に守勝が自身の不忠を悔やみ荒れ狂う場面が感動的だった。2021/08/12
Moeko Matsuda
7
滅亡した家を驚異的な忍耐力と圧倒的な実力と強運でもって再興した井伊直政と、彼を永きにわたって支え続けた木俣守勝の物語。世界観に入り込むのに少し時間がかかったが、あとは一気読み。不器用で、不気味なほど一途な直政と、それにいいように振り回され、文句を言いながらも、直政にかかりきりになってしまう守勝の、二人の関係性が面白い。ただ「剣と紅」に比べると何を訴えたいのか分かりにくく、読後感はややスッキリせず。あと、これは人によると思うのだが、解説が無駄に長い上に全くの蛇足。EXILEファンなら喜ぶかも知れないが。2020/01/03
とも
6
主君とは、忠義とは何か…。戦国のイメージは「忠義の為なら命もかける!」だが、そりゃ人の感情は割り切れない 言葉にするのも難しい時もある。思っていた戦国小説とは違ったけど後半波にのってからは一気読み。2021/09/09
YH
5
井伊家と清佐を繋ぎ、様々なうちの事を差配したお駒が良かった。時代だから、直政と清佐のどちらも家の再興や発展を第一として苦労した部分が似ている。解説が無駄に長く蛇足感がものすごい。2021/06/20