出版社内容情報
所有していた古い家に居座り死亡した原田宏香の知人を探してほしいという依頼を受けた葉村晶。宏香を連れ込んだ男も家出していた…。
内容説明
葉村の働く書店で“鉄道ミステリフェア”の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。行方を追ううちに思わぬ展開に(「逃げだした時刻表」)。相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、死んだ女の知人を捜してほしいという依頼を受ける(「不穏な眠り」)。満身創痍のタフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。
著者等紹介
若竹七海[ワカタケナナミ]
1963年、東京生まれ。立教大学文学部卒。1991年、「ぼくのミステリな日常」で作家デビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞“短編部門”を受賞。2015年、葉村晶シリーズ「さよならの手口」でミステリファンクラブ・SRの会による“SRアワード2015”国内部門を受賞、「このミステリーがすごい!」4位。2016年、同シリーズ「静かな炎天」が「このミステリーがすごい!」2位、“SRアワード2017”国内部門、ファルコン賞を受賞。2018年、同シリーズ「錆びた滑車」が「このミステリーがすごい!」3位。著書に「悪いうさぎ」(日本推理作家協会賞“長編及び連作短編集部門”候補)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
326
道を踏み外した、真っ当な人生を生きられなかった女達のお話。いくら不運とはいえ、こんなに殺されかけるなんて、葉村晶が生存しているのが不思議なくらい。富山店長、葉村晶のお給料、上げてあげて!2020/01/15
へくとぱすかる
273
ABC時刻表がからむ「逃げ出した時刻表」を目当てに購読。店長の掲げる鉄道ミステリの作家名の中に、はてな? 全く知らない名前。私の不勉強かな、と思ったらそうじゃなかった。さすがに実在の作家を事件にはからめられないものね。本当は書店員なのに、つくづくひどい目に遭う探偵だなぁ。気の毒でしかたがないが、彼女のタフさに救われる。実はシリーズだと知らずに購読。でもこれをきっかけに葉村晶ファンになれるかも。2019/12/23
星落秋風五丈原
237
新年からショボい頼み事をしていた葉村晶シリーズが何とNHK総合で連続ドラマになった!しかもハムラアキラとなぜか全部カタカナ読みになってる!それだけでかっこいいじゃないか。演じるのはシシドカフカさんと、こちらも全部カタカナ読みだ!何だか番宣ポスターもかっこよくて同一作品と思えないぞ!そんなこんなな(どんなだよ)葉村晶の最新作が短編集で登場。このヘーワな日本で何ひとりハードボイルドやってんだよと言いたくなるような願いごとだが、実際彼女の身の回りではこれらの事が日常茶飯事で起こっているのだから仕方ない。2020/01/02
佐々陽太朗(K.Tsubota)
193
「このミス」上位常連。しかしあくまで1位ではない。1位になれないとけなしているのではない。葉村晶シリーズはそうした作品なのだろうと言いたいのだ。このシリーズは読む人を選ぶ。ハードボイルドではあるが、シブくカッコイイ主人公ではない。四十代のおばさん探偵、しかも四十肩と膝に不調を抱えているのだ。テイストもほろ苦くなんとも言えない後味の悪さを持つ。さて、五十代、六十代の葉村晶はどうしているのだろう。はたして若竹さんは、この後そうした葉村晶を書く気がおありになるのだろうか。気になるところである。2020/02/19
cinos
183
相変わらず不幸続きの葉村晶、それでも体を張って事件を解決するのがすごいです。「逃げ出した時刻表」の消えた時刻表を追って話が転がっていく話、好きです。2019/12/22