内容説明
1987年、俺は福岡を出て東京へ。やがて大規模なグラフィック展に20代で抜擢されパルコ系クリエイターの仲間入りをし、汐留の大型ライブハウスの内外装も手がける。バブルのまっただ中、数々の変人と出会い、モデルと結婚して絶頂の日々も確実に時代の変化が―。仕事と恋愛、青春の日々が甦る実話ノベル。
著者等紹介
ヒキタクニオ[ヒキタクニオ]
1961年、福岡県生まれ。イラストレーター、マルチメディア・クリエイターを経て、作家に。2000年に『凶気の桜』でデビュー。映画化されて話題となる。2006年『遠くて浅い海』で第8回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K
6
自分もそうだけど派手な遊びをしなくなったのはインターネットの功罪かな。でも、未来の方が面白いハズ…と思うようにしよう。ヒキタクニオ小説の誕生秘話を知れたのは面白い。2019/09/21
フロム
4
日本の特異点「バブル期」は結構興味がありたびたび摂取するのだが、本著は若干期待外れ。著者は凄い才能があるクリエイターなのだが、やってる事はまんま田舎の成り上がりでクリエイティビティのかけらも無い。それで文化がどうのと言われても、そらぁバブル期発の文化は根付かないよなぁと言う感想しか出てこない。ただ完成された監視社会になった現在、これから先無駄の象徴たる文化は痩せたり廃れたりするんだろうなとはオリンピックの開閉会式を見て思う。その事を予見させる内容ではある。2021/08/13
etoman
4
著者が体験したバブル時代のコンセプチュアル・アートの世界。渋谷宇田川町のゲームセンターの外装はヒキタクニオさんだったは!ちょうど、最初の会社が渋谷だったからあの派手な外装は何となく覚えてるよ。バブルのせいで、という負の面ばかり強調されるが、お金があったことによる正の面を全て捨て去るのは公正じゃないと思う。その結果がジリ貧、投資や冒険やリスクを恐れて内向きな世界に陥った今なんじゃないか。反省して次に生かすことができない我々なのか。2019/10/07
hase45
3
★★★★★ いやー、面白かった。出来事を時系列で丁寧に記録しており、バブル期のドキュメンタリーとしても興味深い。本当に無茶苦茶な人ばかり登場してきて、この作者の書く物語の原点が見えた気がする。2021/10/17
バーベナ
3
作家としてのヒキタさんしか知らなかったので、アート出身それもバブル期のというのは驚いた。隣に座ったヤクザの顔が近づいてきても、見ないという対処法、若僧とは思えない。作品を読むたびにこの人、何者なんだろうという疑問が解けた。成金は何故か宇宙を目指す、という話にちょっと笑った。2021/05/19