出版社内容情報
武田の家臣であった御宿勘兵衛は、仕える武将が皆滅ぶ。曰く依田信蕃、佐々成政、北条氏政、結城秀康、最後に仕えしは豊臣秀頼!
内容説明
武田の遺臣として、数多の主家を渡り歩いた御宿勘兵衛。武田家滅亡から、大坂の陣まで―仕えた家が次々と滅びることから、「厄神」と忌み嫌われた男と、彼に関わった度し難い男たち。時代に迎合することなく、己の夢と覚悟を貫いた依田信蕃や久世但馬守など、気鋭の著者が描く、くせものたちの物語。
著者等紹介
簑輪諒[ミノワリョウ]
1987年栃木県生まれ。2014年、丹羽家の敗者復活劇を描いた『うつろ屋軍師』で第19回歴史群像大賞に入賞し、デビュー。2018年『最低の軍師』で「啓文堂書店時代小説文庫大賞」を受賞。いま最も注目される若手時代小説作家である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
169
武田家の遺臣として数多く主家を渡り歩いた御宿勘兵衛の話。とにかく仕えた家が次々と滅ぶ。“厄神”の異名で忌み嫌われた男ではあるが、武田家滅亡から大坂夏の陣まで生きてたのだから、ある意味すごい男かも。勘兵衛に関わった男達も信念を持ち格好いい。無謀に挑み、意地のために戦う姿は、水滸伝の梁山泊の豪傑達を見ているようだった。決して名の通った男達ではないけど、間違いなくくせものと思わせる男達の熱い話に、しばらく興奮冷めやらなかったです。【読メ読んだ本 通算600冊目】2020/02/11
岡本
98
武田家遺臣・御宿勘兵衛と彼に関わった曲者達の物語。仕えた家が次々と滅びる事から「厄神」と忌み嫌われた男を中心に武田家滅亡から大阪夏の陣まで。主人公を含め知名度の低い武将たちが多く登場する本作。有名な大名に仕える武将の生き様を感じる事ができる。佐々成政が格好良い。2020/01/10
みこ
23
武田家滅亡後、諸国を放浪し大坂夏の陣で討ち死にした御宿勘兵衛を主人公とした小説。とはいえ途中まで勘兵衛は狂言回しの役回りで、彼自身が主人公となるのは最終章である。昨年のマイ・ベスト・ノベル「殿さま狸」の著者だけに否応にも期待値をあげて読んだのだが、本作も同じくらい面白かった。それまでに関わった人たちが4章、5章で勘兵衛の人生のラストを彩る様は圧巻である。読み切ったときに激しく胸を揺さぶられる思いだった。むしろ、結城秀康との関りなどもっと話を膨らませてこの作品世界を味わいたい思いであった。2019/07/18
ハッチ
15
★★★★★戦国時代から江戸幕府初期までの短編集。御宿勘兵衛を通しての話しだが、たくさん名前の知らない武将が出てくる。実際いた人物らしい。こういう人物もいたんだと新しい発見があった。2019/10/29
YONDA
13
厄神と呼ばれた御宿勘兵衛。数多の武将と行動し、大阪の陣にて死に花を咲かす。越前宰相の下での同士、本多富正・野本右近の勘兵衛に対しての思いが熱い。2021/01/16