出版社内容情報
米中貿易戦争を仕掛けた異色の大統領補佐官が説く、米中軍事衝突の可能性。トランプの対中戦略の狙いは、全てこの本から読み取れる。
内容説明
米国と中国が戦争に至る確率は、70%以上―。トランプ政権で大統領補佐官を務める「対中戦略のブレーン」が、米中戦争の可能性を徹底分析。急速に攻撃能力を増している中国と、アジアでのプレゼンス維持に苦慮する米国。両国の軍事・政治・経済、そして地政学的リスクを検証し、米中衝突の防止策を探る。
目次
第1部 中国は何を狙っているのか?
第2部 どれだけの軍事力を持っているのか?
第3部 引き金となるのはどこか?
第4部 戦場では何が起きるのか?
第5部 交渉の余地はあるのか?
第6部 力による平和への道
解説 日本の安全をどう守るのか
著者等紹介
ナヴァロ,ピーター[ナヴァロ,ピーター] [Navarro,Peter]
米大統領補佐官。大統領選挙中から政策顧問としてトランプ陣営に加わり、政権発足後は新設された国家通商会議(現・通商製造業政策局)のトップに就任。通商問題のブレーンとして米中貿易戦争を主導するなど、政権内でも強い影響力を見せている。専門は経済学
赤根洋子[アカネヨウコ]
翻訳家。早稲田大学大学院修士課程修了(ドイツ文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いぬたち
7
地政学についての本だが特に軍事的な側面を中心に描かれた内容で米中の保有している兵器なども絡めながら解説された一冊。各章が細分化されておりテーマごとに簡潔にまとめられているのは有難い。勿論米中ならびにその間に存在し国際問題が生じている周辺国の関係性も述べられており若干内容は古いが東アジアの緊張感を理解できる。いろいろ思うことはあるけど中国がフィリピンからスカボロー礁を奪った経緯は戦慄が走る。2021/01/10
in medio tutissimus ibis.
5
問題の多い邦題。戦略や地政学のレベルで見て米中の戦いは始まっているとする内容であり、そうでない軍事レベルでの衝突は第二部から第四部までの内容でしかなく、また主体である米国から見る中国の虚実とその対抗策を講じることへの呼び掛けであって米中などと並べてみる内容ではない。この本は一義的には米国のためのものであり、そこを踏まえなければつまらないプロパガンダに見えてしまう。誘導尋問的な問題、脅威だけを繋ぎ合わせ矛盾した中国像、曖昧で多用される平和という語。これらの方便は中国よりむしろ米国人の世界観を我々に垣間見せる2019/10/19
肉欲棒太郎
4
トランプ政権きっての対中強硬派として知られるピーター・ナヴァロの著書。文庫化を機に読んでみたが、予想以上に面白く、蒙を啓かれた。仮想敵国に対する脅威論は行き過ぎると敵の実力を実態以上に捉えることになるのではないかと思わないでもないが、分析には一定の説得力がある。米中戦争は不可避なのだろうか。2019/07/23
読書熊
3
文庫化は2019年だがいまだ古びない2022/11/06
B型が苦手
3
米国現政権内で働いている人の著作です。五年前の本だし、実際に当事者になって知ったこともたくさんあると想像します。とはいえ、この本に書いていることが前提になっているなら、近年の米中関係悪化もそうなるよねと思う。そして、中国が用意しているミサイルか本書の通りであれば、それが降ってくる我々はたまったものではありません。お互い強欲はほどほどにして、もっと建設的なことに知恵とお金を使ってほしいものです。2020/07/10