出版社内容情報
2084年、偉大な神への服従を強いられる国で主人公は謎の国境を目指す。アカデミーフランセーズ大賞受賞のディストピア長篇。
内容説明
完璧で決定的な勝利を収めた“大聖戦”ののち、核で荒廃した大地は何億もの死体で覆いつくされた。偉大な神ヨラーとその忠実な代理人アビを信奉する宗教国家アビスタンでは、思想・信条の自由を忘却し、街区に縛られた“信徒”たちが陰鬱な日々を送っている。極寒のサナトリウムで療養中の役人アティは、やがてこの国の“境界”を夢見るようになる。名高い祭司の息子コア、古代の村を発見した考古学者ナース、“本”をはじめ失われた文明の遺物を収集する商人トーズ、猥雑で混沌として無秩序なゲットー。この世界の起源と真実を求めて、アティとコアは旅に出る。ジョージ・オーウェル『1984』ミシェル・ウエルベック『服従』のその先を描いたディストピア小説の新たな傑作、誕生。アカデミーフランセーズ小説賞グランプリ。
著者等紹介
サンサル,ブアレム[サンサル,ブアレム] [Sansal,Boualem]
1949年アルジェリア生まれ。エンジニアリングと経済学を学び、民間職を経てアルジェリアの産業省に入省。官僚として働くかたわら、1999年、フランス語で執筆した小説『蛮人の誓約』でデビュー。2003年、政府の推進する教育におけるアラビア語公用語化などに強く反対して退職後も、アルジェリアに留まり、政府の監視下にありながら、歴史や文明を俯瞰する骨太の作品を発表しつづける。2008年、イスラーム原理主義とナチズムを扱った長編『ドイツ人の村―あるいはシラー兄弟の日記』を発表し、数々の文学賞を受賞
中村佳子[ナカムラヨシコ]
1967年広島県生まれ。翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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