出版社内容情報
妻を殺された土久呂凶四郎は、不眠症に悩まされながらも夜専門の同心として夜な夜な町を巡回する。静かなはずの夜の江戸に蠢く者…。
内容説明
妻を惨殺された南町の同心土久呂凶四郎は、奉行の根岸により夜の市中見回りを仰せつかった。除夜の鐘が鳴る大晦日の日もまた、江戸を探索していた。ゴーンと鳴った鐘の音にしばし聞き惚れた土久呂だが、その音が移動しているのに気が付いた。「ウン、鐘が動く?」手下の源次とともに鐘の音を追いかけるのだが…。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒。93年、『黒牛と妖怪』で第17回歴史文学賞を受賞。2002年に、第1回北東文芸賞を受賞。15年に「耳袋秘帖」シリーズで、第4回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞。15年『沙羅沙羅越え』で第21回中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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旅するランナー
103
大晦日から正月4日の江戸でおこる怪事件(移動する鐘の音、入替り獅子舞い、いきなり六地蔵など)を、南町同心土久呂凶四郎が今回も解決していくのさ。できる上司、奉行の根岸には「そなたには、江戸の夜の闇を見つめてもらいたいのさ」なんて言われちゃうのさ。仁王の捨右衛門、白蟻次郎助、タコ弁慶の安吉なんていう、脇役のネーミングも面白いのさ。2019/07/26
とし
90
耳袋秘帖「眠れない凶四郎」2巻。大晦日と正月を挟んで奇怪な事件が起こるが、南町同心土久呂凶四郎と源治が活躍しますね、今回は南町奉行根岸備前守がかなり登場しましたね、凶四郎眠れるように1歩前進か?2019/11/05
雅
35
不思議な話や対決に市井の動き等、小粒ながらもバラエティーに富んでサラッと一気読み2019/06/08
真理そら
23
「わざとまずくしたそば屋」が好きだ、よくできた若旦那だけれど澄んだ目が危うい。妻・阿久里が惨殺されたショックから少しずつ立ち直ってきている凶四郎だけれど、事件が解決していないのでまだまだ眠れない。今回も三日月斬りを披露してくれた。2019/04/12
Hugo Grove
20
再読。凶四郎が眠れる夜はくるのだろうか。2019/11/27