出版社内容情報
目が覚めると六年後! 事件を追う刑事に何が起こったのか?「13・67」でミステリ界を席巻した香港の気鋭、衝撃のデビュー作。第二回島田荘司推理小説賞受賞作。台湾の出版社が企画し、島田荘司が選考を努める、華文(中国語)による本格推理小説の新人賞を受賞したのは、香港の新進気鋭、陳浩基(サイモン・チェン)。最先端と前近代の町並みが混在したエネルギッシュな過密都市を、「記憶を失った男」が、事件の真相を追って失踪する。秀逸な構成、驚愕の結末。アジアに新しい「新本格」ブームの幕が開いた。
車の中で目覚めた刑事。つい先日起きた夫婦惨殺事件を捜査していた・・・はずが、警察署に出てみれば建物も顔ぶれも全く変わっている。そこに現れた女性記者から、事件は6年前に起きたもので、その犯人は逃走中に事故死、事件はすでに解決している、と知らされる。自分は6年間の記憶を失っている? 何故? しかし、刑事には何故か確信があった。「死んだ男は、真犯人ではない!」
事件の真相を求め、女性記者とともに香港島、九龍、新界と、かつての事件関係者を訪ね回る。次々に出くわす意外な事実、そして不可思議な違和感。自分の記憶はなぜないのか、なぜ自分は「真相は別にある」と知っているのか。そして、自分は何者なのか。
どんでん返しの連続、アクロバティックな謎解き。これぞ新本格ミステリーの誕生、という新鮮な感動を、我々日本人はこの一冊で思い起こすことができるだろう。
そして、主人公の「アイデンティ・クライシス」は、今の香港に生きる作者の切実なテーマでもある。
今年、陳浩基の新作「13・67」は大きな話題となり、ウォン・カーウァイが映画化権を取得した。返還から中国支配により激しく変化する香港の歴史を辿った連作集だ。
激動を香港をリアルタイムで活写している陳浩基のメジャーデビュー作に、改めて注目が集まる。
陳 浩基[チン コウキ]
著・文・その他
玉田 誠[タマダ マコト]
翻訳
内容説明
六年間の記憶が一夜にして消えた。刑事である自分に一体何が起こったのか?昨日まで追っていた事件は解決済み。納得できず香港の喧騒の中を駆ける男の前に、驚愕の真相が。第二回島田荘司推理小説賞受賞作。「13・67」でミステリ界を席巻した著者の、これが衝撃の長編デビュー作。アジアの鬼才、ここに現る!
著者等紹介
陳浩基[チンコウキ]
1975年生まれ。香港中文大学計算機学科卒。台湾推理作家協会の海外会員。2008年、童話ミステリ「ジャックと豆の木殺人事件」が台湾推理作家協会賞の最終候補となり、翌年「青髭公の密室」で同賞受賞。2011年「世界を売った男」で第二回島田荘司推理小説賞受賞
玉田誠[タマダマコト]
1967年、神奈川県生まれ。青山学院大学法学部卒業。台湾において日本ミステリーの紹介や台湾ミステリーの評論を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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