文春文庫<br> 世界を売った男

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文春文庫
世界を売った男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 332p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167911829
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0197

出版社内容情報

目が覚めると六年後! 事件を追う刑事に何が起こったのか?「13・67」でミステリ界を席巻した香港の気鋭、衝撃のデビュー作。第二回島田荘司推理小説賞受賞作。台湾の出版社が企画し、島田荘司が選考を努める、華文(中国語)による本格推理小説の新人賞を受賞したのは、香港の新進気鋭、陳浩基(サイモン・チェン)。最先端と前近代の町並みが混在したエネルギッシュな過密都市を、「記憶を失った男」が、事件の真相を追って失踪する。秀逸な構成、驚愕の結末。アジアに新しい「新本格」ブームの幕が開いた。

車の中で目覚めた刑事。つい先日起きた夫婦惨殺事件を捜査していた・・・はずが、警察署に出てみれば建物も顔ぶれも全く変わっている。そこに現れた女性記者から、事件は6年前に起きたもので、その犯人は逃走中に事故死、事件はすでに解決している、と知らされる。自分は6年間の記憶を失っている? 何故? しかし、刑事には何故か確信があった。「死んだ男は、真犯人ではない!」

事件の真相を求め、女性記者とともに香港島、九龍、新界と、かつての事件関係者を訪ね回る。次々に出くわす意外な事実、そして不可思議な違和感。自分の記憶はなぜないのか、なぜ自分は「真相は別にある」と知っているのか。そして、自分は何者なのか。

どんでん返しの連続、アクロバティックな謎解き。これぞ新本格ミステリーの誕生、という新鮮な感動を、我々日本人はこの一冊で思い起こすことができるだろう。

そして、主人公の「アイデンティ・クライシス」は、今の香港に生きる作者の切実なテーマでもある。

今年、陳浩基の新作「13・67」は大きな話題となり、ウォン・カーウァイが映画化権を取得した。返還から中国支配により激しく変化する香港の歴史を辿った連作集だ。

激動を香港をリアルタイムで活写している陳浩基のメジャーデビュー作に、改めて注目が集まる。

陳 浩基[チン コウキ]
著・文・その他

玉田 誠[タマダ マコト]
翻訳

内容説明

六年間の記憶が一夜にして消えた。刑事である自分に一体何が起こったのか?昨日まで追っていた事件は解決済み。納得できず香港の喧騒の中を駆ける男の前に、驚愕の真相が。第二回島田荘司推理小説賞受賞作。「13・67」でミステリ界を席巻した著者の、これが衝撃の長編デビュー作。アジアの鬼才、ここに現る!

著者等紹介

陳浩基[チンコウキ]
1975年生まれ。香港中文大学計算機学科卒。台湾推理作家協会の海外会員。2008年、童話ミステリ「ジャックと豆の木殺人事件」が台湾推理作家協会賞の最終候補となり、翌年「青髭公の密室」で同賞受賞。2011年「世界を売った男」で第二回島田荘司推理小説賞受賞

玉田誠[タマダマコト]
1967年、神奈川県生まれ。青山学院大学法学部卒業。台湾において日本ミステリーの紹介や台湾ミステリーの評論を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

k5

83
これを読んでいる一週間、当然のようにThe man who sold the world聴いてましたが、デヴィット・ボウイもいいけどNirvanaのカバーも良かったな、というのはおいといて、ミステリとしてはけっこうあらびきなんですが、すごく魅力のある作品。6年分の記憶を失っている、というSF並の設定が、シャーロック・ホームズ並の衒いを感じさせて、エンタメとしてのスケールが大きいです。華文ミステリ、追っかけないと。2021/02/20

TATA

67
「13・67」で一躍名を馳せた陳浩基さんの長編デビュー作で、香港を舞台にしたアクションサスペンス。後半はまるで香港映画のようなスピード感で進みます。ある朝、車中で起きると一夜にして六年の月日が流れていた。無くした六年分の記憶と六年前に起きた惨劇と。シリアスな設定なのですが女性記者とのやりとりがやや漫画的でなんとなく「シティーハンター」のような感じでした。続編あるのかな?2019/03/08

ひらちゃん

65
どれだけひっくり返してくれるんだ。殺人事件の翌朝に、記憶がとんでる刑事?まさかタイムスリップ?そんなもんじゃなかった。過去と現在と彼と彼。ああ、彼女までも…。混乱と困惑でごちゃごちゃ。プロット入り組んでたんだろうな。ミステリー好きにはたまりません。面白かったー!2019/11/10

ざるこ

64
部屋に横たわる2つの死体、失われた3つの命。妊婦をも手にかけた殺人事件。1週間後、ふと車の中で目覚めた許刑事は事件から6年が経過していることを知る。なくした記憶、解決済み事件への違和感。真犯人を求め捜査を始める。まったく驚きの連続。犯人は誰?は、あまり重要ではない。「この視点は誰なのか?」二転三転する物語に頭の中は混乱の極み。犯人の目星がついてしまうのが残念だけど、簡単に理解させない捻られた物語と人間の心理に夢中になる。靄のかかる複雑さがラスト1行で一気に視界良好。すっきり!初の香港ミステリ堪能しました。2019/11/16

konoha

53
ミステリーというより、香港の警察小説かハードボイルドのような雰囲気がかっこよくて好き。銃声が鳴る場面は、特にかっこいい。香港とノワールって、最強の組み合わせ。物語にもっと入り込みたかったけど、入りきれないまま読み終えた。冒頭のシュッとしたハードボイルドの雰囲気がとても良かったので、期待しすぎたかな。古畑任三郎と青島刑事という、日本で有名な刑事が出てくるセリフのやりとりも楽しい。2021/08/14

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