文春文庫<br> 山本周五郎名品館〈3〉寒橋(さむさばし)

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文春文庫
山本周五郎名品館〈3〉寒橋(さむさばし)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 473p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167910907
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

夫に恋する女とその父の愛を描く「寒橋」、置いて行かれた子を育てる浪人「人情裏長屋」、これぞ肝っ玉母さん「かあちゃん」等九編。生涯、膨大な数の短編を遺した山本周五郎。

没後五十年を経た今なお、読み継がれる作品群の中から、

選びに選ばれた名品。

短編選集決定版の第三巻(全四巻)



武士の、同輩への友情と、許婚への断ち切れない愛情との葛藤を描く「落ち梅記」。

浪人の、赤ん坊に対する人情が愛情に変わっていくプロセスを描く「人情裏長屋」。

長屋住まいの一家の、究極の人情ともいうべきものを描く「かあちゃん」。

亭主への、また父の娘に対する「情」の交錯がドラマに複雑さを与える「寒橋」。



ほか、「なんの花か薫る」「あすなろう」「落葉の隣り」「茶摘は八十八夜から始まる」「釣忍」など、全九編。



巻末に沢木耕太郎氏による解説エッセイ「寒橋のまぼろし」を収録。



さまざまな「情」が乱反射する、「情」の万華鏡ともいうべき一冊。

山本 周五郎[ヤマモト シュウゴロウ]
著・文・その他

沢木 耕太郎[サワキ コウタロウ]
編集

内容説明

男も女も老いも若きも、様々な「情」を胸に抱き、それに振り回され生きていく―武士の、同輩への友情と許婚への断ち切れぬ愛情との葛藤を描く「落ち梅記」。亭主への、また父の娘に対する「情」の交錯がドラマに複雑さを与える表題作。同場所のシンデレラ物語が迎える残酷な結末「なんの花か薫る」。「情」の万華鏡とも言うべき一冊。

著者等紹介

山本周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
1903(明治36)年―1967(昭和42)年。山梨県生まれ。26年、「須磨寺附近」で作家デビュー。『日本婦道記』が43年上期の直木賞に推されるも固辞、以後すべての文学賞を辞退した

沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947年、東京都生れ。『テロルの決算』で79年に大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『一瞬の夏』(新田次郎文学賞)、『凍』(講談社ノンフィクション賞)、『キャパの十字架』(司馬遼太郎賞)など常に方法論を模索しつつ、ノンフィクションに新しい地平を開いてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

117
沢木さんによる山本周五郎短編作品の第3冊目です。今回は義理人情に焦点を当てた作品が9編収められています。私も結構短篇も読んだつもりでいたのですが、この作品すべて未読でした。最初の「落ち梅記」、表題作の「寒橋」、「茶摘は八十八夜から始まる」が印象に残りました。結構ほろりとさせる作品です。あと1冊を残すのみとなりましたが楽しみです。何回も読みなおすことになりそうな作品集です。2018/07/01

じいじ

69
沢木耕太郎が選択した「周五郎の短篇集」と言うことで、一層の期待が膨らみます。「人情裏長屋」など既読も4作ありましたが、山本周五郎にはハズレなしなので面白く読了。ここでの紹介は初読みの表題作【寒(さむさ)橋】これは「夫婦の情愛」を描いた周五郎の秀作で、出来ることなら長編で読んでみたい中身の濃い一作です。夫に嫉妬するお考がいじらしく愛おしいです。このお考は、周五郎の『おたふく』のおしずに重なる絶品の良い女です。この物語には奥深く「?」が隠されています。お考が可愛がる女中のおたみが身ごもります。腹の子は誰の子?2025/04/30

キムチ

68
巻末で沢木氏が山本氏の「情の世界」のすごみを熱く語る・・自らの父の思い出や来し方も絡ませて。しかし、山本氏の作品で「情」の水脈が無いモノってないと思うが。子供向けのユーモア小説ですら・・ある。とは言えこの集はその中でも傑作を揃え、読み手を唸らせる。「人情長屋」「かあちゃん」「釣忍」は有名どころだが。「落ち梅記」の由利江の思惑はむしろ嫌な感じ・・自分がこの人を変えて見せるって。。一つ間違えば思い上がりにも通じる「寒橋」しみじみ余韻に浸る・・おたみの腹の子の父は○○だと思うけどね・・まぁ、邪推は自由だし。2022/10/31

藤月はな(灯れ松明の火)

55
今巻は友情・忠義、どちらに尽くしたとしても自分にとって最良の形で報われるとは限らない人生の一端を抉り出す「落ち梅記」からスタートする。初っ端から重いよ・・・。特に「なんの花か薫る」は映画『ANORA』を思い出し、溜息。久しぶりに逢った婚約者の美しく、成長した姿に見惚れたと宣うこの男はずっと、このような不実を積み重ねるのだろう。ただ、その不実に真剣に怒ってくれるみどりさんがいるのが救いか。一方、「あすなろう」ははみ出し者故に悪人になった男がたった一つだけした善意が当事者にとっては端迷惑だったという事実は苦い2025/04/20

ぶんこ

43
実母の実家が小田原町であり、沢木さんの本籍地でもあると知ってなんだか嬉しくなりました。「寒橋」があった辺りも解説に書かれていたので行ってみたいです。「情」シリーズの9編で、数編は読んだ事がありましたが、表題作始め「人情裏長屋」の信兵衛さんが赤ちゃんの為に人が変わったようになるのにほっこり。「なんの花か薫る」は最後の最後に驚く結末が待っていて、唯一哀しくなった作品でした。2019/03/24

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