文春文庫<br> 樹海

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文春文庫
樹海

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167910167
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

苦しむことなく、この世とおさらばしたい――。死を渇望して樹海に溶け込む人間たちと、彼らとともに運命という名の濁流に巻き込まれていく人びとを描いた6つの連作短篇集。

「それぞれの短編に、長編一本分の着想が詰まっています」――鈴木光司



富士の裾野に広がる樹海で自殺を遂げた原田正吾。自殺をしようと入った樹海で原田の死体を見つけた井口輝子。原田も井口も幼児期からの親からの虐待によって性格を歪められて、大人になってから虐待の連鎖に苦しんでいた。ヤクザからの暴行により、瀕死の重傷を負ったまま車のトランクに入れられ樹海へ運ばれていく細田剛。不倫スキャンダルから転落人生に陥り、難病に冒された元女優の篠沢遠子。失業し、家族には見放され、引きこもりの長男の突然死から失踪したホームレスの矢掛弘。

樹海に入る人間も、入らない人間も、生まれ落ちたその瞬間から不幸の連鎖に巻き込まれ、因果応報の報いを受けていく。救いようのない人生を生きなければならなかった人間たちの生と死を描いた6つの連作短篇集。

内容説明

樹海―それは社会の底辺で生きることに疲れた人びとの終焉の場。虐待、借金、失業、薬物中毒…悲惨で救いようのない人間たちは、生きる苦しさから解放されるため、次々と樹海へ足を踏み入れる。弱者を生みだし、死へと導いたものとは何か。親と子の恐ろしい因縁が引き起こす、不幸の連鎖を描いた連作短編集。

著者等紹介

鈴木光司[スズキコウジ]
1957年静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学仏文科卒。90年第2回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞となった「楽園」でデビュー。95年発表の「らせん」で第17回吉川英治文学新人賞を受賞。「リング」は日本、ハリウッドで映画化。2013年「エッジ」で、アメリカの文学賞であるシャーリイ・ジャクスン賞(2012年度 長編小説部門)を日本人として初めて受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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