出版社内容情報
無名時代に書いた現代小説五編と詩一編を初めて収録。故郷の風光を背景に、魅力的な女性が登場する。作家の軌跡を知る貴重な一冊。
内容説明
歴史小説家として世に出る以前に書き継いだ、未発表作品を含む現代小説五篇と詩一篇を初めて公刊。故郷・三河湾の風光を背景に魅惑的な女性を描いた短篇や、嫁姑の相剋に翻弄される男を、筆を折る決意のもとに描いた中篇など、私家版でしか読めなかった貴重な作品を文庫化。宮城谷昌光の文学的航跡がこの一冊に。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
昭和20(1945)年、蒲郡市に生まれる。早稲田大学文学部卒。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事、創作をはじめる。その後帰郷、ながい空白ののち「王家の風日」を完成。平成3年、「天空の舟」で新田次郎文学賞、「夏姫春秋」で直木賞、「重耳」で平成5年度芸術選奨文部大臣賞、「子産」で平成13年の吉川英治文学賞を受賞。平成16年に菊池寛賞を受賞、平成18年に紫綬褒章を受章。「劉邦」で平成27年度毎日芸術賞を受賞。平成28年に旭日小綬章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そら
26
中国史じゃなくて現代小説。文豪小説の雰囲気が漂っていて、中高の教科書に載ってそうな短、中編集。特に事件が起こるわけではなく、登場人物達の関係性や、主人公のいろんな物事に対する思索が中心となっていて、小説というより、、随筆っぽいところも多い。時々「おっ?」と思う作者の感じ方があり、感性がよく分かる。退屈じゃないけど、面白いって程でもなくて。。こういう小説は感想が書きにくいな?2018/02/28
路地裏のオヤジ
3
図書館で宮城谷氏の現代小説は珍しいと思い借りれ読了。宮城谷氏が中国歴史小説として花開くまでの葛藤が書かれた半ば自伝的小説?2019/08/24
DualBlueMoon
3
自分の逃げ道は読書かな。2018/01/13
モビエイト
3
宮城谷さんの現代小説。 いつも中国の歴史を読んでいるので不思議な感じで読み終えました。2017/11/13
おりひら
1
宮城谷さんの無名時代の短中編集。東京から故郷に戻ってと言う流れが似通っている所に、何か意味を感じてしまう。模索していた時期ともあるけれど、文章が面白いからサクサク読んでしまった。が、ほとんどの主人公が病み疲れた様に故郷へ帰って来、しかし故郷で癒されるわけでもなくと言う展開が、作家が「嘘を書けない」と言っているのを見ると、いたたまれない。しかし、不思議な魅力ある文体だ。それと後の作品に影響が感じられる雰囲気もあった。2021/12/04