出版社内容情報
佐藤愛子九十歳・奇跡の話題作、待望の文庫化!
老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年間は夫であった畑中辰彦のものだった。
共に文学を志し、夫婦となり、離婚の後は背負わずともよい辰彦の借金を抱え、必死に働き生きた杉は、思う……。
あの歳月はいったい何だったのか?
私は辰彦にとってどういう存在だったのか?
杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索する。
『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であった男と過ぎし日々を透徹した筆で描く、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。
(文庫化にあたり、単行本を上下2分冊とした)
内容説明
「パパ、死んだよ、今」。娘・多恵からの電話に、作家・藤田杉は「ご苦労さん」と呟く。かつての夫・畑中辰彦との間に流れた歳月が終わった。共に文学を志し、十円の貸し借りから始まった付合い。借金まみれの人生を杉に背負わせた辰彦は結局、何者だったのか。九十歳を目前にした作家は、記憶を辿り、真実を求めて、ペンを執る。
著者等紹介
佐藤愛子[サトウアイコ]
大正12(1923)年大阪生まれ。甲南高等女学校卒業。戦後「文芸首都」の同人となり小説を書き始める。昭和44(1969)年「戦いすんで日が暮れて」で第61回直木賞を、昭和54年「幸福の絵」で第18回女流文学賞を受賞。平成12(2000)年、父の作家・佐藤紅緑、異母兄のサトウハチローを始めとする佐藤家の人々の凄絶な生の姿を描いた大河小説「血脈」の完成により第48回菊池寛賞を受賞。平成27年「晩鐘」で第25回紫式部文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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