出版社内容情報
人気絶大、いまや国民的時代小説といえる「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻を、より読みやすい【決定版】で毎月二巻ずつ順次刊行中。
色白でぽってりとした同心・木村忠吾の好物は、豊島屋の一本饂飩。親指ほどの太さの一本うどんがとぐろを巻いて盛られていて、柚子や摺胡麻、葱などの濃目の汁で食べるのである。そんな忠吾が、豊島屋で男色の侍に目をつけられ誘拐される「男色一本饂飩」ほか、ちょっとうまそうな食べ物が脇役となっている作品が印象的な第11巻。
「男色一本饂飩」「土蜘蛛の金五郎」「土」「亡き味噌屋」「密告」「毒」「雨隠れの鶴吉」の7篇を収録。
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
内容説明
食い気盛んな同心・木村忠吾の大好物は、深川の一本饂飩。柚子や摺胡麻、葱などをあしらった濃目の汁で食べる。ある日、「同席、かまわぬかしら?」と巨体の侍が忠吾に近づいてきた(「男色一本饂飩」)。老盗人の名人芸とは(「穴」)。全七篇を収録。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
大正12(1923)年、東京に生れる。昭和30(1955)年、東京都職員を退職し、作家活動に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表し、35年、第43回直木賞を「錯乱」によって受賞。52年、第11回吉川英治文学賞を「鬼平犯科帳」その他により受賞する。63年、第36回菊池寛賞受賞。平成2(1990)年5月3日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
95
この巻では、「男色一本饂飩」と「穴」が楽しめました。前者は兎忠こと木村忠吾がうどん屋で目を付けられて誘拐されますが、それは犯人が男色家でしかも盗賊ということで盗みのあとの愉しみに…、ということで危機が訪れます。いつも笑ってしまいます。後者は隣家から人知れず三百両を盗むがそれをまた返してしまう、ということでその方法が楽しめます。私はシャーロック・ホームズの「赤毛組合」を思い出しました。また「土蜘蛛の金五郎」では平蔵が乞食の様な浪人に化けて何日も風呂に入らず、活躍しますがそのときのことを楽しんでいます。2023/06/29
ゴンゾウ@新潮部
69
シリーズ11作。今回も安定の面白さ。悪党にはとにかく容赦がない鬼平が時折りかける優しい裁き。その使い分けが絶妙です。2025/04/25
優希
50
ドラマ性が強く、映画を見ているような後味を味わいました。2023/03/11
金吾
31
○鬼平シリーズは侍の美学と人情が重なりあっていて読んでいて心地いい作品です。「土蜘蛛の金五郎」「泣き味噌屋」「密告」が良かったです。2022/07/15
金吾
30
○少し滑稽な「穴」、「土蜘蛛の金五郎」、哀しさがある「泣き味噌屋」「密告」が良かったです。2024/02/09
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