出版社内容情報
遂に幕を閉じたTV「鬼平犯科帳」シリーズ。その長い歴史を振り返り、制作スタッフたちの貴重な証言を聞き取るファン必読の書。
春日 太一[カスガ タイチ]
内容説明
28年間に渡り放送された「鬼平犯科帳」。その人気の秘密を番組スタッフのプロデューサーから殺陣師や録音技師、美術監督などに直接インタビュー。今の世で正統的時代劇を放送する上での、苦労話、ここだけの話、内緒の話がテンコ盛り。さらに「オール讀物」に掲載された「鬼平」関連の記事も収録。鬼平ファン必読の一冊である。
目次
序章 鬼平、京都へ行く
第1章 スタッフインタビュー(プロデューサー篇 能村庸一/佐生哲雄;脚本家篇 田坂啓/安倍徹郎 ほか)
第2章 ドラマ『鬼平』の魅力を検証する(池波原作時代劇の変選;原作と脚本の違い ほか)
終章 鬼平、京都を去る
著者等紹介
春日太一[カスガタイチ]
1977(昭和52)年東京生まれ。時代劇・映画史研究家。日本大学大学院博士後期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まるる
54
私が時代小説を読むきっかけになったのがドラマ鬼平。池波作品を読み漁り、他の作品も読むようになった。大好きな鬼平。そのドラマがいかにして作られたのか。携わったスタッフさん達の熱い思いが終結した一冊。鬼平との比較で必殺も語られるのが面白い。鬼平の深夜アニメ版も見たけれど、やっぱりドラマの方がいいな。フジテレビさん再放送してくれないかなぁ。2017/07/11
ばんだねいっぺい
32
「鬼平」の文字を見ると「ジプシーキングス」が流れるように躾られている。「必殺」と対比した見方は、演出の妙を見極める意味でよい。京都で撮影すると水路が情緒と重なるのか、江戸の風が吹くのが面白いと感じた。 2019/10/20
ぶんぶん
14
【図書館】時代劇研究家の春日太一氏の労作。 学生時代から京都に通い、そこで見聞きしたインタビューも含めた貴重な「鬼平本」。 活字と映像の違い、原作と脚本の違い、これを読んでると映像職人の苦労が偲ばれます。 いろんな人のインタビューが今になったら、どれだけ貴重か。 映像作品と言うのは、ほとほと一人では出来ないものと言う事を、感じさせられる。 特に「題字人」まで聴いて来た事が凄い、普通そこまで気が回らない、というか根っから好きなんでしょうね。 春日太一の熱量に圧倒されました。2020/10/10
0607xxx
11
裏方さんのインタビューが半分以上で、この時代劇がいかに愛され、丁寧に作られていたかを知ることが出来た。勿論知ってはいるが、一度も観たことがない「鬼平」シリーズ…まずは録画した昨年末の最終作から観させて頂きます。2017/02/13
ワッピー
8
原作は幾度となく読んできたものの、ここまで長く続いた吉右衛門版鬼平も悪くないかもと思うようになり、手に取ってみました。映像を撮るということ、特に時代劇は脚本、演出、照明、衣装、考証、ロケ地決定と様々な職種・技能のプロフェッショナルの熱い想いによって支えられていることを知り、それまで敬遠してきた映像版をいずれ手に入れて全シリーズを見ようと決心。第二章の原作の魅力と脚本の工夫によりさらに磨きがかかったシーンなども知っていよいよ楽しみです。また原作を読み返して映像に立ち向かう準備をしておかなくては・・・2017/09/01