出版社内容情報
辻村深月が選び抜いた巨匠の妖しい美の結晶
大乱歩没後50年を記念する傑作選第3弾は、猟奇の美に焦点を当てる。「芋虫」「蟲」「鏡地獄」「押絵と旅する男」ほか収録。
内容説明
美しく妖しく、どこか懐かしくていとおしい―江戸川乱歩没後50年を記念する傑作選、辻村深月編の本書ではそんな乱歩の精髄を収める。恋する美女に嘲笑された孤独な男の妄執を綿密に描く「蟲」。四肢を失って帰還した軍人と妻の関係を描いた名作「芋虫」。さらに「盲獣」「鏡地獄」「白昼夢」「目羅博士の不思議な犯罪」など全9編。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894(明治27)年‐1965(昭和40)年。本名は平井太郎。1923(大正12)年『二銭銅貨』でデビュー。初代日本推理作家協会会長を務めた
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
112
文春文庫版傑作選3つのうち《蟲》。辻村さんセレクトによる中短編9篇。厭世とか醜態などから生み出された衝撃が優しさや切なさへと導かれる不思議...「芋虫」「人でなしの恋」「蟲」途中まで歪で変態的と感じていた愛情が最後には清純や悲哀へと変貌する魅力。サスガの名作としてすっかりのめり込める「押絵と旅する男」間違いなく夢を叶えた男の至福を噛み締めればいいのか...「盲獣」で暴れるのは漢字通りに盲目の猛獣!そのメチャクチャで分かりやすい展開に思わず夢中な一気読み(笑)視覚に触覚にと生々しい描写にずっとゾワゾワ...2023/07/07
ehirano1
87
アババババ・・・・・。「蟲」があまりにも怖すぎて。コレ完全に狂気。2023/01/14
ehirano1
80
「防空壕」について。持ち上げといて落とすwww、やり過ぎだろこれはwww。2023/05/07
GAKU
71
先日“ネクロフィリア”を題材にした翻訳小説を読んだ時、江戸川乱歩が同じ題材の「蟲」という短編小説を書いていた事を知りました。収録されている本を探していた所、辻村深月さんの好みによってアンソロジー化するというこちらの企画本に載っていたので読んでみました。他に「白昼夢」、「鏡地獄」、「芋虫」、「人でなしの恋」、「押絵と旅する男」、「防空壕」、「目羅博士の不思議な犯罪」及び「盲獣」の全9つの短編が収録されています。どれもが猟奇、怪奇を題材にした短編ばかりで、読みたかった「蟲」は勿論他の作品もとても良かった。⇒2017/07/09
優希
54
面白かったです。辻村さんセレクトの乱歩集。不思議な魅力のある作品ばかりでした。グロナンセンスの味わいを堪能しました。明智小五郎に代表されるような探偵小説と異なり、不気味さを感じさせられます。2022/02/25