出版社内容情報
50年以上の歴史を誇る雑誌『新そば』に掲載された「そば随筆」アンソロジー。天皇の料理番から若尾文子、北島三郎、日銀総裁まで。
月刊「新そば」[ゲッカン シンソバ]
内容説明
ああ今日もそばが食べたい!知る人ぞ知るそば雑誌、季刊「新そば」に掲載された「そばエッセイ」約半世紀分を集大成。赤塚不二夫、淡谷のり子、永六輔、桂米朝、菅原文太、立川談志、丹波哲郎、三波春夫、養老孟司、若尾文子…日本各界を代表する67人が、ほどよい蘊蓄と溢れるそば愛を綴った一冊。そば好きの、どうぞおそばに。
目次
僕は、平凡なそばファンだけど…(赤塚不二夫)
天皇さまはそばがお好き(秋山徳蔵)
そば好きの遺伝子(浅野忠信)
好きなそば(淡谷のり子)
蕎麦碾く音(飯田龍太)
天ぷらそば(池部良)
そばと私(石井好子)
蕎麦の寺(石田波郷)
早熟な少年から糖尿まで(今村昌平)
蕎麦屋の味、蕎麦の味(入江相政)〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じいじ
100
重い読書のあとの箸休めに読んだ。各界のそば好き67名が、そばへの想いを寄せた一冊。疲れた頭の気分一新に恰好だ。「そばとうどんは、どっち?」と問われたら、私は躊躇なく「そば」と答える。決して「うどん」が嫌いなわけではない。冬の寒い日、妻が拵えてくれる鍋焼きうどんは最高のご馳走だと思っている。その一部ご紹介すると…◆永六輔:わんこそばへ一言…そばは味わうゆとりがあっての喰物、それを面白がっては喰うのはよくない◆立川談志:落語に登場する粋なそばの話が可笑しく面白い。毎日一二編ずつ読むのも一興かもしれない。2016/09/22
s-kozy
65
季刊「新そば」。昭和35(1960)年創刊。東西の有名そば老舗約100店で構成される「全国新そば会」の季刊誌。そこに収録されたエッセイから67編を選び編んだ文庫。執筆陣が豪華だなぁ。赤塚不二夫・淡谷のり子・石井好子・今村昌平・色川武大・永六輔・大岡昇平・大野晋・桂米朝・金子兜太・北島三郎・北杜夫・衣笠祥雄・隈研吾・黒田東彦・児玉清・新藤兼人・立川談志・田部井淳子・丹波哲郎・三浦雄一郎・水上勉・三波春夫・椋鳩十・桃井かおり・森村誠一・養老孟司・米原万里・若尾文子等。そば好きのあなたのおそばに置いてください。2018/07/13
じょんじょん
58
蕎麦好きです。最近は減りましたが、蕎麦屋巡りが好きでした。昼から蕎麦前、昼酒いただき、〆はそれぞれのお店の蕎麦を手繰る。お酒は無濾過生原酒ならば最高の贅沢。なんていう自分の期待とは微妙に違いました。季刊「新そば」(知らない 笑)に掲載された高名、有名な著名人の方々の蕎麦にまつわるエッセイ。書かれている方がたの領域は実にさまざま。お名前だけは存じていますというお方も多数。微妙にそば好きじゃなったりする方もおられてそれも楽しい。大半の方が鬼籍にはいられていて、時の流れをこんなところでも感じてしまいました。2019/01/29
おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)
55
そば好きだから買ったんやけどそもそも食べものにうんたらかんたらいうこと自体が根本的に好きじゃないんだよな。 なんか下品。 そばに関してはそれがより強く感じたのは自身生来の道徳観念の問題でしょう。 特にそばはさっと茹でてすすっと食ってパッと終わらせたい。 当人の了見の問題ですなこれは。 そば茹でてる間、そば来るの待ってる間に何気なしにめくって楽しむのはありかな。 野暮な蕎麦なんて始める前に終わってんぜ。2017/11/24
ホークス
52
そばの老舗や名店が支援する雑誌「季刊新そば」は1960年創刊。本書はそこから60数篇を選んだエッセイ集。執筆者は建築家、舞踏家、哲学者、落語家など多彩。感性が一人ずつ違うのは、書かれた時代の幅広さもある。価値観は様々でも、土臭く、ひっそりと野性を秘めたそばの存在感は変わらない。児玉清氏は、素朴な食物だから作り手の心がそのまま反映される、と言う。打ち方、茹で方、水切りなどの加減は確かに身体的だ。わびさびのイメージもあるせいか、面白いエピソードよりも来し方を顧みる文章が多い。しみじみする一冊。2018/12/29