出版社内容情報
梟助が鏡磨ぎに訪ねた医者宅で、隣家に入った泥坊の噂を聞き、落語に出て来る間抜けな泥坊に話は広がり――切なくも可笑しい六篇。話し上手で聞き上手、梟助さんがまたもや大活躍
梟助が鏡磨ぎに訪ねた医者宅で、隣家に入った泥坊の噂を聞き、落語に出て来る間抜けな泥坊に話は広がり――切なくも可笑しい六篇。野口 卓[ノグチ タク]
内容説明
鏡磨ぎ・梟助さんの腕前に惚れ込んだ愚翁が切りだした、隣家の話。主人が寝ている隙に侵入した泥坊が、酒の誘惑に勝てず酔いつぶれて大鼾。間抜けな泥坊がどうなったかという結末を聞いて「まるで落語に出てきそうですね」と梟助さん。勢い話は落語に登場する泥坊づくしとなりまして…好評シリーズ第四弾!
著者等紹介
野口卓[ノグチタク]
1944年、徳島生まれ。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。2011年「軍鶏侍」で時代小説デビュー。書き下ろしの同作は、歴史時代作家クラブ新人賞を受賞するなど、圧倒的な評価を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
27
2016年5月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ4作目。知恵袋、ジッカイの人、約束、夫唱婦随、年下の親父、出来心、の6つの連作短編。梟助や、鏡磨ぎの客に語らせることによってノンジャンル的なストーリー展開になるところが面白い。今回は、梟助の推理が披露される「知恵袋」の捕物話が楽しい。「約束」は重い話だった。2021/10/10
onasu
18
シリーズも四作目。流しの鏡磨ぎの爺さんの話しなんぞに耳を傾けても…、て手合いはすべからず!、て話しから始まる六編。 異色なのは中ほどの「約束」。昔の商売仲間が、少し会わぬ内に様変わりした顔で…。そういう姿は見たくない、でももっと疎ましかったのは自らの…。 表題作「出来心」では、前作で特別な鏡を磨がせた旗本の隠居愚翁が、梟助が訪れないのに痺れを切らして、料亭に呼び出し、とっておきの話しをするが…。 晴耕雨読ならぬ晴磨雨読で、どちらも好きだからこその梟助さん。次作では、聞き上手や謎解きも期待したい。2016/06/04
ケイプ
14
ご隠居さんシリーズの第4弾。大店を隠居して今は鏡磨きを生業とする梟助さん、今回もいろんな話を聞くことができました。 落語や噺にはあまり馴染みもなく知らない事も多いので面白く読んでいます。2016/06/29
あかんべ
12
今回梟助さん自身の話はなく、落語話が多かった、中でもだくだくは笑えた。零落した友の看護の話は重かった。最後おちをつけて終わったのはよかった。2016/05/22
やまほら
5
6編からなる短編集だが、ほとんど落語の筋を並べただけというのが、いくつか。まあ、私が落語好きで、ある程度の数の噺を知っているというのもあるかもしれないが、ちょっと中身が少なく感じた。2016/06/06
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