出版社内容情報
消え失せた射殺犯、密室から落ちてきた死体、警察監視下で起きた二重殺人。密室の謎を華麗に解く名探偵登場。これぞ本格ミステリ!
内容説明
鍵のかかった教室から消え失せた射殺犯、警察監視下の家で発見された男女の死体、誰もいない部屋から落下する女。名探偵・密室蒐集家の鮮やかな論理が密室の扉を開く。これぞ本格ミステリの醍醐味!物理トリック、心理トリック、二度読み必至の大技…あの手この手で読者をだます本格ミステリ大賞受賞作。
著者等紹介
大山誠一郎[オオヤマセイイチロウ]
1971年、埼玉県生まれ。京都大学在学中は推理小説研究会に所属。2002年、短編「彼女がペイシェンスを殺すはずがない」でデビュー。2012年の短編集『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
122
大山作品2冊目。短い。読みやすい。アルファベット~以上に端的な文章ですが、探偵役の設定が良いので、気にならない。高純度という謳い文句も納得。トリックなんかは上手く出来ています。理由ありの密室が個人的なベスト。2作目読んで、この作家に感じていたモヤモヤが何なのかハッキリしました。解決までをコンパクトにまとめるためにディテールがかなり雑な時があります。『少年と少女の密室』で、被害者二人とも体育の授業で捻挫していたとか、その他ネタバレ避けますが、もうちょっとだけ小説世界に浸れる程度の配慮が欲しい。2016/06/05
takaC
103
京大推理小説研究会ファンは必読だな。本格ミステリ愛好家も外しちゃいけない。2017/07/22
じいじ
93
5編の短篇。各々の時代背景が1937~2001年と違って描かれていて、当時の世相が反映されていて面白い。殺人事件を解明するのは〈密室蒐集家〉を名乗る名探偵の男。何十年経っても歳を取らないのが何とも可笑しい。私的には、後半の2編、とくに【理由ありの密室】が筋もトリックも面白かった。被害者の部屋の鍵が、被害者の胃の中から見つかる…。時代はワープロが全盛の頃でトリック解明のキーを握る話。全体を通じては、緻密に組み立てれられたトリックが楽しめるミステリーであるが、総合点では先日読んだ新作『赤い博物館』に軍配だ。2016/06/24
タイ子
92
5つの密室殺人事件。時代が1937年~2001年まで。警察でも解けない密室事件の現場に突如現れる密室蒐集家と名乗る男。時代を超えて齢を経ることもなく同じ姿で摩訶不思議な人物。そして、謎解きを終えると何処へと去っていく。なんじゃそれ?!と思わないでもないが、密室事件作品としてはよく練られている。ただ、謎解きの部分は読んでいて集中力を要するけれど・・・。真犯人はうすうす推理できても、動機やトリックが明かされるたび、ほぉ~!って感じ。それにしても密室蒐集家って一体何者?!時を超えて令和の時代に参上しないかしら。2020/11/25
セウテス
87
密室事件が起こると時空を越えて現れ、密室の謎を解いて何時の間にか消え去る密室募集家。彼が解決した1937年から2001年までの、密室事件5短編集。見事なまでに密室事件と謎解きのみに、物語を削ぎ落とした本格ミステリ。SFファンタジー的な探偵を起用して、密室というトリックをストレートに味わえる設定は、作者の本格の謎解きを楽しんで欲しいという思いを感じる。さすがに短編に特化した構成だとは思うが、私はこのパターン大好きです。アガサ・クリスティ氏の「謎のクィン氏」を再読したくなった。是非とも、シリーズ化して欲しい。2020/09/02