出版社内容情報
連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。事件は異様な見立て殺人だと判明する…掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。
『その女アレックス』の刑事たちのデビュー作
連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。事件は異様な見立て殺人だと判明する…掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1140
原題は"Travail Soigné"。「きちんとした仕事」といったくらいの意味か。ルメートルのデビュー作だが、私も多くの読者と同じく、何も知らないで『アレックス』を先に読んでしまい、実は先行する作品があることを作中で知った次第。残念なようにも思うが、その反面、カミーユをはじめとした捜査チームを知っていたが故に、本書には最初から親近感を持って読めてよかったとも思う。そして、あの結末にはどんな風に迫って行くのかという、一種倒錯的な楽しみも得られた。過去に書かれたミステリーと、今まさに書かれつつあるそれ。⇒2016/08/30
W-G
1050
アレックスでネタバレ喰らっていたが、記憶が薄れそうになかったので、あきらめて読んだ。結果としては…ネタバレありきで読んだことが幸いしたような。最初にコレから読み始めていたら、色々と消化不良だったかもしれない。中盤の濃密さに比べ、結末は尻切れトンボ感もあり、犯人もわかりやすく、そういう諸々が、二作目から遡って読むことで、ホラー映画で、来るとわかってて来た時のような、違うハラハラ感に変化する。個人的にはアレックスより好き。引き続き『傷だらけのカミーユ』に進むと、登場人物欄でまたこの作品のネタバレをしている…。2019/03/19
starbro
898
ピエール・ルメートル3作目です。一気読みで、面白かったのですが、3作目となると新鮮味が少なくなってきます。また今年のミステリ賞で上位に来ていますが、そこまでの出来かなぁって気もします。タイトルですが、「悲しみのイレーヌ」ではなく「悲しみのカミーユ」が正確ではないでしょうか?次回最新作の「天国でまた会おう」を読む予定ですが、一先ず4作品でピエール・ルメートルの評価をしたいと思います。 2015/12/08
のっち♬
711
露骨で猟奇的、究極に残虐な連続殺人。死者、本、行方不明者を追い、マスコミ、予審判事、検事局、大臣と戦う個性豊かな刑事たち。「手がかりがないことが手がかりだ」事件に人生を乗っ取られまいと、不合理要素と未知数が多い中、芸術への執拗な拘りを持つ犯人像へ迫っていく過程は、焦ったくも徐々にスピード感を増してクライマックスを迎える。「人類の悲劇はお前の目の前にあるんだからな」全編に横溢する病的なまでの迫力、恐怖感、不安感、生理感覚を直接刺激する負の求心力、その筆致の正体とは?最後まで読み手を惹きつける構成に唸る。2020/01/28
青乃108号
709
なんてこった。先に2作目を読んでしまった俺には結末は解ってはいたものの、作品自体の【仕掛け】に気づいた時、しばらく茫然とし。2作目と同じく3部構成になっているのだが、第1部が異様に長い。その長さに訳があって、第2部に入ると【おおっ】見事にひっくり返される。何しろ登場人物もいきなり【居なかった事】になったりするし。諸事情あって2作目は1日で一気読み、今作は5日がかりで少しずつ。偶然だが、その読み方で正解だった気がする。2作目は傑作だったが、今作も負けず劣らずの傑作と思う。これは3作目も読まずにはいられない。2021/12/20




