出版社内容情報
長嶋茂雄は語った。「野球の全ての面白さを凝縮した試合だった」。シーズン最終戦、勝った方が優勝という試合の舞台裏を鮮烈に描く。
日本中が沸いたあのゲームを完全再現!
長嶋茂雄は語った。「野球の全ての面白さを凝縮した試合だった」。シーズン最終戦、勝った方が優勝という試合の舞台裏を鮮烈に描く。
内容説明
1994年10月8日、ナゴヤ球場。同率首位に並ぶ巨人と中日は、勝ったほうが優勝という世紀の一戦を迎えた。長嶋茂雄監督が「野球のすべての面白さを凝縮した」と語る最高の試合を、死闘を演じた男たちの証言で再現する。桑田、斎藤、槇原、落合、原、今中、立浪、大豊、そして長嶋、高木の両監督は何を見たのか。
目次
国民的行事の前夜
長嶋茂雄の伝説
落合博満の覚悟
今中慎二の動揺
高木守道の決断
松井秀喜の原点
斎藤雅樹の意地
桑田真澄の落涙
立浪和義の悔恨
長嶋茂雄の約束
「10・8」後の人生
著者等紹介
鷲田康[ワシダヤスシ]
1957年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、報知新聞社に入社。87、88年に中日担当。91年オフから巨人キャップとして93年の長嶋茂雄監督の復帰、松井秀喜選手の入団などを取材。およそ10年にわたり読売ジャイアンツ取材に携わった。2003年に独立。日米を問わず、野球の面白さを現場から伝え続け、「Number」ほか雑誌・新聞で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
300
10.8に巨人と中日が優勝を賭けて雌雄を決する試合をしていた話。私も世代的に直接は観ていないが、聞けば聞くほどこの試合を観てみたかったし、ここがプロ野球の一つの節目だったんだろうなと思った。この試合は長嶋監督のカリスマ性がこれ以降でも出て来るが、長嶋監督の姿勢がすごい。要所要所で決めていく姿勢は高木監督や後の星野監督も憧れ、追い越そうとしても追いつけない悔しさを感じた。しかし当時は引き分けなし、投手の酷使が今では考えられないレベルですごいな。この後ではWBCなども個人的には痺れた試合はあったけど、2017/06/25
しょーくん@本棚再編中
60
★★★★★★★★☆☆あれからもう21年になるんですね。阪神ファンの私にとっても、あの試合は今でも鮮明に覚えています。かえって巨人・中日どちらかのファンだったら、胃が痛くなって楽しめなかったかもしれませんね。2015/11/20
hatayan
52
勝った方が優勝という1994年の中日と巨人の最終戦の記録。「国民的行事」と盛り上げる長嶋監督、あくまで平常心を貫く高木監督がガチンコで勝負。1点のためにあえて送りバントする松井、優勝請負人として本塁打を放つ落合、1塁にヘッドスライディングで飛び込み脱臼する立浪、連投で選手生命を縮めるリスクを厭わなかった桑田。持てる力を出し切った総力戦には巨人に軍配が上がります。渋かったのは、負け試合の中継ぎの役割ながらもきっちり仕事を果たした中日の野中。陽の目を浴びた選手ではなくても「10・8」は特別な試合だったのです。2020/09/01
ケイ
31
選手みんなの意気込みと、この一戦に対する凄い気迫が伝わってきます。勝利数と敗戦数も同じで残りゲーム1という凄い状況で両チームが優勝を懸けて試合は本当に凄い緊張感を超えて迫力のある内容でした。読んでるともう一度、こんなに白熱した試合を自分の目で見てみたいと思いました。球場に行ってこの試合を見ていたら、ドキドキしながら見てるんだろうなって思いました。2015/09/23
thee birdmen
27
129試合を戦って同率首位の巨人と中日による最終決戦。投手の分業も確立していない時代の死闘です。先発した翌日にリリーフしたり、完封した二日後にまた先発したりと気合と根性でシーズンを戦った選手たちの鬼気迫る姿が描かれています。中でも印象的なのは桑田。全てを背負わされてもなお赦されたと感じて流す涙とは一体どういう心境だったのか。ヒール役に徹しながら結果を出し続けた9年を思うと胸が苦しくなります。時代と言えばそれまでですが、心と体をすり減らしてぶつかり合うプロの真剣勝負はやはり凄いですね。2016/06/10