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文春文庫
焚火の終わり〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167903152
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

妻を喪った茂樹と、岬の町で育った美花。2人は本当に兄妹なのか。母が書き遺した〈許すという刑罰〉とは。生の歓びあふれる長編。

内容説明

北海道のキャンプの夜、兄妹はついに結ばれた。その仲間もさまざまな愛に苦しんでいた。「共同体が崩れるとき、その原因は、たいてい男と女のことや」―岬の家もあるいは小さな共同体だったのか。海外赴任を前に茂樹は会社を辞し、美花と岬の家で生きる決意をする。詮索は終わりにしようと思った二人だったが…。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

47
感動の余韻に浸るエンディング。テントの中で、主人公茂樹が美花との性愛への恐怖感とも罪悪感ともつかない感情に苛まれる場面から下巻が始まる。本作は、同性愛や近親相姦など性的問題に鋭く切り込んで描かれている。それが淫猥な性愛小説にならないのは、宮本輝の筆致力であり流石である。予想しきれない展開のおもしろさで、ぐいぐい引き込んでいく語りの巧みさは、真骨頂である。結局、著者は、最後まで出生の秘密は解き明かさなかった。力を合わせて新事業に取り組む未来ある二人には、無用なことなのだろう。幸福とは?・・を考えさせられた。2015/04/14

との@恥をかいて気分すっきり。

22
愛のあり方は様々であると、言われる。だがそれを本当に理解することは難しい。そのことを心の動きと営まれる暮らしの中で自然と腑に落ちるように書かれた不思議な小説。誰が茂樹と実花の本当の父親・母親なのか。上巻で展開された事件、あれこれや人の繋がり、あるいは人々が呟いたヒントも、さいごは曖昧なまま結末を迎える。それを気にするなということなのか、書いていくうちにどうでもよくなってしまったのか、宮本輝さんの意図は読み取れない。2015/05/21

ちゃこばあ

20
兄妹の出生の謎は明言されないけれど大よその予想建はされ、どのような結果でもいいと超越した愛と新しい生き方に進んでいく・・。とても恵まれた善人達に守られ、その幸運は「水のかたち」にも繋がるよう・・。小市民とはあまりにもかけ離れた話ではあるけど、だからこそなのか惹きこまれました。また大昔に読んだ「泥の河」や「蛍川」も読みたくなりました。2015/06/07

reading

12
出生の秘密は解き明かされず結末は読者の想像にゆだねられたのだろうか。 岬の家で共同体は何を行っていたのだろうか。非常に複雑な関係が繰り広げられていたような気がする。茂樹と美花との性愛はお互いを慈しみあい、深い愛情を持つ非常に稀有な関係の中にあり、うらやましく感じる。 読後感は宮本作品ならでは。2016/08/31

mataasita

9
最後まで謎が分からず、手紙も謎。最後までこの家で何があったか分からず。誰の子なの。都合よく二回も大金得てセカンドライフか。ミステリー要素のある上下巻ならちょっとは解決しろや、輝。。。主要人物嘘つきばっかで主人公たちも気持ち悪い。読まずに桃鉄やればよかった。2021/11/09

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