出版社内容情報
京極堂シリーズを彩る男たち、女たち。彼らの過去と因縁を「妖しのもの」として物語るスピンオフ・ストーリーズ第二弾。初の文庫化。
名作『百鬼夜行 陰』続篇、待望の初文庫
京極堂シリーズを彩る男たち、女たち。彼らの過去と因縁を「妖しのもの」として物語るスピンオフ・ストーリーズ第二弾。初の文庫化。
内容説明
人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。そんな男、榎木津礼二郎にとりついているのは魚の眼だった(「目競」)。『狂骨の夢』『絡新婦の理』『邪魅の雫』他の名作、そして『鵺の碑』に登場する者たちの闇と因果を綴る怪異譚。魔術的な語りの果てに―妖しきものが現れる。初文庫化!
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年、北海道小樽市生まれ。1994年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年、『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞長編部門、97年に『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花賞、2003年、『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、04年、『後巷説百物語』で第130回直木賞、11年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
84
文庫で再読です。シリーズのサイドストーリーということもあり、名作の奥を覗くような気持ちになりました。闇と因果が紡がれた怪異譚。その妖のような語りの先に現れるものが美しさすら感じさせました。榎さんの探偵になる以前の物語や、次作の予定である『鵺の碑』につながる物語もあり、単なるサイドストーリーに終わらせないのが魅力です。2018/05/15
勇波
74
まずはせっちゃん、元気そうでなにより。。また鵺でお会いできそうですね。次回作は日光ですか…。今作の中ではやっぱり最後の「目競」がいい。榎木津探偵誕生の瞬間!2015/01/18
KAZOO
63
京極堂シリーズからのスピンオフ作品集です。さまざまな登場人物たちの過去に絡む10の物語で私には非常に楽しく読むことができました。最後の作品は特に榎木津のおさないころについての話です。また最後に付録で百鬼図がついているのもいいですね。2015/04/04
ヨーコ・オクダ
41
「陰」よりも軽い…というか、どんより感が少なかったような…。あ、だから「陽」なのか!?京極堂シリーズのキャラの中で、別に好きなわけでもないのに気になっていた「大鷹クン」のエピソードが良かった。あの人、やっぱり変やわ(^^;;一方、変なんやけどなぜかファンが多い「榎木津クン」のエピソードも当然良い。これまで何度となく聞かされている(読まされている?)「この世には、不思議なことなど何もないのだよ」のセリフ。榎木津のあの力はどう考えても不思議やろー!?なんて思てしまうよねー。2015/04/14
Richard Thornburg
40
感想:★★★★★ 10篇からなる百鬼夜行シリーズの短編サイドストーリー集です。 本編を読み終えてから時間は経過しているのですが、『青行燈』で怒られている気分になりながら(笑)すっかり京極堂のペースに乗せられます(笑) 本編を読んでから陰→雨→雲→風→陽と読み進めましたが、比較的『陰』に近いけれどちょっと軽めな感じかな? どれも興味深く読めたのですが、やはり榎木津ファンとしてはラストの『目競』が一番面白かったです。 どうでもいいけど、榎木津にとって『魚』は「さかな」ではなく「うお」なのだな(笑)2015/05/10