文春文庫<br> 日本サッカーはなぜシュートを撃たないのか?

電子版価格
¥611
  • 電書あり

文春文庫
日本サッカーはなぜシュートを撃たないのか?

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 263p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167901097
  • NDC分類 783.47
  • Cコード C0195

出版社内容情報

日本社会の特質が「シュート撃たない病」の原因か? 国内外の最前線で取材してきた著者が実体験をもとに日本サッカーの宿痾に迫る。

2014年6月に開催されるブラジルワールドカップ。1998年フランス大会以来、5大会連続出場となる日本代表は、本田圭祐、香川真司など本当の意味での海外トップクラブで活躍する選手を中心に「史上最強」のメンバーで挑むことになります。日本代表は過去の苦い経験を教訓として、今度こそ「すべての力を出し切る」ことができるのかーー。
過去のW杯では、地元開催の利を活かしてグループリーグを突破した02年、決勝トーナメント1回戦でトルコに0-1で敗れ、2010年も苦労してグループリーグを突破しながら、パラグアイに0-0、延長・PK戦で敗れています。トルコも、パラグアイも強いチームには違いありませんが、問題は「負け方」。試合を観戦した多くの日本人は、とくにサッカーに詳しくない人ほど、「なんでシュート打たないの?」ともどかしい思いを感じたのではないでしょうか。
点をとらなければ勝てない状況でも、パスを回すばかりで、相手が迫ってくると、すぐにボールをさげてしまい、そのままタイムアップを迎える……どうしてこういうことが起こるのか。
本書は、かれこれ20年近く世界中をサッカー取材で飛び回り、スタジアムの内外で様々な経験を積み重ねてきたサッカーライターの熊崎敬さんが、その過程で出会った具体的な場面を材料に、日本サッカーの宿痾ともいえる「シュート撃たない病」の原因を探った一冊です(文庫書下ろし)。なぜ日本人はシュートを撃たないのか。そこには、社会性が高くマニュアル化に優れた日本人の民族性や社会性と深く関わっている可能性があります。

内容説明

Jリーグ発足から21年、日本サッカーは確かに強くなった。世界の強豪を相手に互角に戦う場面も増えてきた。だが、その試合を見守る誰もが、こう怒鳴った経験があるはずだ。「なぜ、そこでシュートを撃たないっ?!」。国内外のサッカーを最前線で取材してきた著者が、実体験を武器に日本サッカー界の宿痾に迫る「問題の書」。

目次

第1章 日本サッカーはなぜシュートを撃たないのか?(コンビニ社会はサッカーを弱くする;ボール支配率75%なのに負ける理由 ほか)
第2章 日本のスタジアムで考えたこと(母体は喫茶店のチーム。松本山雅の挑戦;高校サッカー選手権「奇跡」の正体 ほか)
第3章 世界のスタジアムで考えたこと(ブラジル人少年の心を捉えた日本人選手の話;パスの上手い男たち ほか)
第4章 サッカーの本質を知っている男たち(キングカズの「最高傑作」;中村俊輔はスタジアムを支配する ほか)

著者等紹介

熊崎敬[クマザキタカシ]
昭和46(1971)年、岐阜県出身。明治大学卒業後、「サッカーダイジェスト」「Sports Graphic Number」編集部を経て、フリーランスに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シブ吉

82
W杯ブラジル大会を目前に、興味深いタイトルの本を目撃し思わず手に。ゴール前でシュートを撃たずにパスを出す光景を思い出し、ページをめくる。それぞれの試合を例に、その流れに沿って話が進むので判りやすく面白い。『パスの上手い男たち』の話。外国人が日本のサッカーを評すときの言葉、「日本人はパスがとても上手い」と同時に「日本人はシュートがあまり上手くない」その言葉に続き、ジーコの口癖。「ゴールの空いているところにパスを通す。それがシュートというものだ。」その後に続く絶妙な話の展開は、まるで華麗なパス回しの様でした。2014/05/22

ひで爺ィ@伊豆甘夏納豆売り/MMM団/スパイの弟

46
読友さんよりお借りした本です。なるほど!そうなのか!というようなことが書いてあります。私なりに思ったのですが、今回のW杯で日本代表選手が言っていた『自分たちのサッカーが出来なかった』。させてもらえませんよ、W杯ですから・・・。別に避難しているわけではありません。次回は期待しております(^。^)b2014/07/11

したっぱ店員

36
もう便乗本が多いんだからー・・とぱらぱら見てたら読みたくなって結局購入。やられた(>_<)。雑誌ナンバーに載った記事を集めたもので、タイトルのような問題提起は少しだけだったけど、ジーコ、ジダン等の選手たちについて書かれた分がよかった。遠藤って独特だなあ。本田より興味ある。2014/06/03

s-kozy

34
2010年のW杯で「シュートの意識が乏しいままの退屈な試合」で敗退した日本代表。「日本は過去、W杯に4大会に出場権したが、第三者が十年後、二十年後に「(略)素晴らしかった」と語り継ぐような試合を一度も演じたことがない」という記述が出てくる。それが今回「5大会」に塗り替えられてしまった。進化した四年間のはずが、日本の今回の三試合をデータ分析した今朝の新聞記事の見出しは「つなげど入らず」。シュートの意識が乏しいのはなんら変わっていなかった。撃たない理由は本書を読んでいただくとして、目先の結果だけではなく、2014/06/26

saga

28
本書に通底しているのは「サッカーとは相手のいるスポーツ」というコロンブスの卵的な論理だ。しかし、当たり前であろうこのことを理解できず、フォーメーションやボール支配率などを目的にしてしまう。そうなるとシュートを打たずにボール回しをしてもボール支配率は上がるが、勝つことはできなくなる。便利過ぎる日本社会は、相手のことを考えなくても、つまり相手と駆引きなどしなくても生活ができてしまう。それが「自分たちのサッカーをする」などと独り善がりなプレースタイルにつながるというのも納得だ。第4章は人物伝だが読み応えあり!2014/10/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8035389
  • ご注意事項