出版社内容情報
海外赴任を終えた夫と共に娘を連れて日本に戻った永子。姑と小姑との同居には想像を絶する気苦労が待っていた。忍従の先の幸せとは?
女の幸せとは何かを問いかける、傑作ドラマ!
海外赴任を終えた夫と共に娘を連れて日本に戻った永子。姑と小姑との同居には想像を絶する気苦労が待っていた。忍従の先の幸せとは?
内容説明
弱電会社の社員の夫とともに娘を連れてパリから日本に戻った永子。同居する姑や小姑とのトラブル、娘の教育問題…外交官の両親をもち海外暮らしが長かった永子は日本的な気苦労のまっただ中におかれる。そんな中、陰ながら永子を支えるひとりの男の存在で心は揺れ動く。家庭という迷宮の光と影を描き出す、傑作人間ドラマ。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
昭和7(1932)年、代々木八幡神社の一人娘として生れる。30年日本女子大国文科卒業後、小説家を志し戸川幸夫に師事。ついで長谷川伸主宰の新鷹会へ入会。34年7月「鏨師」で第41回直木賞を受賞。平成3年「花影の花」で第25回吉川英治文学賞受賞。10年、第46回菊池寛賞を受賞。16年、文化功労者。テレビドラマ、芝居の脚本も数多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じいじ
120
平岩弓枝の日本の女たちを描いた小説は、好きで時々読みたくなります。今作は、7歳の娘と親子3人が8年ぶりにパリから帰国して、姑と婚期遅れの小姑との同居から幕が上がる。ストーリーは、嫁と姑、子供の教育、夫婦の波風、浮気、不倫…と家庭の明暗を平岩さんらしいキメ細かさで描いていて飽きさせません。唯々、情け容赦のない嫁いびりだけは読むのが辛かった。著者がここまで惨く描くのは、姑たち以外の人々のやさしさ親切な人柄を強調する意図なのだろうか、と思った。クセになる平岩小説です。別作品が読みたくなります。2017/11/21
優希
39
女性にとっての幸せとは何だろうと考えさせられました。家庭を守ることは本当に幸せなのでしょうか。2022/07/30
もりの
3
義母家族に振り回されててばかりかとイライラしたけど、自分で職を持ってからは自立したメンタルに切り替わっていって良かった。結局、女は育児家事仕事全部やるんだよな。頑張らないと。2024/08/16
rie
2
ところどころ「ん?」と思うような不自然な喋り言葉が少し気になった。(かなり昔の作品だからかな?)ラストに関しては「これで良かったのだ」と思う半面、物足りなさも感じる。序盤の姑と小姑達の主人公への態度が酷すぎて読みながら相当いらいらしました。2018/02/13
えももゆmama
2
久々に平岩弓枝さんを読みました。昭和時代の嫁姑話ですが、小説としての安定感が凄い。ザ・小説。1日で読み終えましたが、作品のどっしりとした安定感に、奇異は全く衒ってないのですが記憶に残る話です。これが作家の力量ですかね〜。2015/03/01