出版社内容情報
生命の未来を変える万能細胞を発見、ノーベル賞を受賞した山中京大教授。画期的な研究の最前線を立花隆、国谷裕子らが徹底取材。
夢の万能細胞が映し出す驚愕の未来
生命の未来を変える万能細胞を発見、ノーベル賞を受賞した山中京大教授。画期的な研究の最前線を立花隆、国谷裕子らが徹底取材。
内容説明
ノーベル賞を受賞した山中伸弥京大教授が発見したiPS細胞は、生命の未来を変える可能性を秘めた万能細胞だ。再生医療に創薬、臓器工場からキメラ動物まで、日々研究が加速するiPS細胞の最前線をNHKのスタッフが徹底レポートする。立花隆と国谷裕子、山中教授による「生命の神秘」をテーマにした鼎談インタビューも収録。
目次
第1部 生命の未来を変えたiPS細胞(iPS細胞発見までの道のり;夢の再生医療の扉が開かれた;万能細胞が開くパンドラの箱;iPS細胞で深まる生命の謎 ほか)
第2部 iPS細胞と生命の神秘 山中伸弥+立花隆+国谷裕子(iPS細胞は生命のタイムマシン;万能細胞がもたらす医療革命;曖昧になる生命の境界線;人間の体に隠された未知の力 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
62
文春文庫、今月新刊の中にこの本を見つけて、STAP細胞騒動のこともあって購入した。題名のとおり、生命の未来を変えた男、山中さんとiPS細胞について書かれた本。iPS細胞がもたらした希望の再生医療、創薬、病態再現だけでなく、逆にiPS細胞がもたらす倫理上の問題や世界的な競争等も興味深く読むことができた。第二部の鼎談インタビューが、ノーベル賞受賞前の2010年のものだったのは残念だが、インタビューの最後にでてきた「新たな細胞の発見を期待」は、山中さんがSTAP細胞のような細胞の出現を期待していたのには驚いた。2014/04/18
ぜんこう
9
基礎研究で終わらせるのではなく、再生医療や創薬などへの応用を目指すのが、山中教授が臨床医として挫折したことに始まることを初めて知った。医療への応用、倫理問題など、いろいろ課題や障害はありつつ、いつか患者に役立つものにするために努力する姿に好感をもちました。まだまだ先かもしれませんが、患者の手に届くものを早く実現してもらいたいものです。2014/06/23
へへろ~本舗
6
山中教授の素顔・再生医療の今後・倫理・国際状況・iPS細胞の説明、そして対談と多方面からのアプローチで分かりやすくなっている。CiRAという施設が研究開発のみならず倫理面、知的財産面までも含んだ総合施設となっている事が素晴らしい。中国の進歩が凄い要因の一つに、国家保護の他にヒト初期胚の考え方・マウスの扱い方などが世界標準の倫理意識と大きくかけ離れているので、イケイケドンドンで躊躇なく実験をしていることもあげられるらしい。実験は大切だが命を軽んじてはいけない。倫理を大切にする山中教授に尊敬!2014/05/15
SS
4
素顔と熱意そして貢献。決して恵まれたキャリアではなかったはずだけど天がこの人をいまこの現代に選んだことは今後に意味があるとおもう。Aが重要。2014/05/31
furu_sato_sf
2
NHKスペシャルのための取材をまとめた内容だが、iPS細胞に関する基礎知識を得る上ではとてもわかりやすい内容。その発見の先進性(細胞の初期化)、ES細胞との違い、倫理的な問題点等、各トッピックに関して網羅的に記載されている。この本の発売時から研究が進んでいるので、現在の状況を理解する上でも有用であった。個人的な興味は倫理的な問題点をどのように乗り越えるかという点。ただ、中国などは倫理的な問題点を気にせずにどんどんと研究を進めてしまうのかもしれないが。2018/09/28