出版社内容情報
取り潰しの際の鮮やかな手腕で知る人ぞ知る広島藩家老・福島治重を取り上げた表題作など六人の家老の清冽な生涯を綴った傑作評伝。
柴田勝家、山川浩、後藤象二郎など家老たちの群像
取り潰しの際の鮮やかな手腕で知る人ぞ知る広島藩家老・福島治重を取り上げた表題作など六人の家老の清冽な生涯を綴った傑作評伝。
内容説明
その手際の見事さから、「福島家浪人あまたあれど、長く流浪せる者ひとりもあらず」と世に謳われた知る人ぞ知る名家老・福島丹波守治重をはじめ、傾きゆく主家を一身で支えた名将・立花道雪、困窮する斗南藩の立て直しに尽力した会津藩家老・山川浩など、新たな視座で六人の家老を描く傑作歴史小説短編集。
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年栃木県生まれ。東北大学文学部卒業後、出版社勤務を経て文筆活動に入る。87年、『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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巨峰
28
このタイトルなので名臣ばかりかとおもいきや、おもくそなんじゃこりゃ?と思うような悪臣がでてきて驚いた。ま、でも、彼も先代の藩主とは上手くやっていたわけで、名臣・悪臣も、君主とのかかわりあいで評価が決定づけられていくのかなあと。短編集のせいか踏込も浅く、時間つぶし暇つぶし以外の価値はあまりない読書でした。2014/02/10
只三郎
18
戦国と幕末に活躍した家老を取り上げた短編集。 説明文が多く、物語としての臨場感は物足りなく感じたが、彼らの逸話自体は感心するものが多かった。 家老まで昇る者は、やはり凡人には無いものを持っているのだなと感じさせられた。2019/02/07
くらーく
1
中村氏の作品では、二つの山河が良いなあ、と思っております。短編の名手じゃないかと。 本書で取り上げられた6人もなかなか興味深い人生を送っていますね。能力的には主君よりも高い人もいるのでは?なぜ、トップではなく補佐役(家老)だったのか。まあ、そういう時代だし、トップが良いとも限らないしね。2017/11/11
ちゃーりー
1
6名の個性的な家老によるエピソード。タイトルは、福島正則の広島城を明け渡した、福島治重の巻による。あの武辺者、正則にどのように仕えたのか、大変興味を持ちました。また、その「賤ヶ岳の七本槍」の一槍、加藤嘉明の息子と、家臣 堀主水一積との騒動を取りあげた「主君、何するものぞ」を読むと、例えば前任者を非常に慕っていた部下をどのようにマネージメントすればよいか、そのヒントがあるようにも思えます。2015/06/19
jun
0
文庫で再読2014/02/12