文春文庫
歴史に消えた参謀 吉田茂の軍事顧問 辰巳栄一

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  • サイズ 文庫判/ページ数 393p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167859015
  • NDC分類 289
  • Cコード C0195

出版社内容情報

英米派として対米開戦を批判し、戦後は陸上自衛隊の礎を築いた男。CIA文書や残された人々への取材で、名参謀の姿が明らかになる!

吉田茂にただひとり、信頼された陸軍中将

英米派として対米開戦を批判し、戦後は陸上自衛隊の礎を築いた男。CIA文書や残された人々への取材で、名参謀の姿が明らかになる!

内容説明

駐英十年の陸軍武官として吉田茂とともに対米開戦に反対、日本必敗を分析していた総力戦研究所を産み、大空襲下の首都40万人学童疎開を実現。戦後は吉田の私設顧問として、自衛隊創設に尽力した男。インテリジェンスを何より重要視し行動した一参謀の姿がCIA文書、日記など一級史料によって明らかになる。

目次

首相には「影の参謀」がいた
葉隠精神と破天荒の時代
情報戦争の渦の中へ
吉田茂との運命的な出会い
英米派の孤独な戦い
風雲急を告げる日本“一触即発”
帝都防衛、学童疎開
敗戦―占領軍がやってきた
鉄のカーテンが降ろされた
吉田が目指した日本独立
「歴史に消えた参謀」
吉田ドクトリンを超えて

著者等紹介

湯浅博[ユアサヒロシ]
産経新聞特別記者・論説委員。1948年東京都生まれ。中央大学法学部卒、プリンストン大学修了。産経新聞入社後に千葉支局、政治部、経済部を経てワシントン特派員、外信部次長、ワシントン支局長、シンガポール支局長を歴任。2002年7月から現職。産経新聞に「世界読解」「東京特派員」などのコラムを執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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nnpusnsn1945

42
吉田茂に仕えた辰巳栄一中将の評伝。著者がタカ派よりのためか、後半はイケイケな改憲話が多くなってしまうのが欠点。だが影の参謀を垣間見た試みとしては優秀である。あの学童疎開も彼が駐在時代の経験から提案したそうだ。人間としては遊び人で、陸大受験に猛勉強をした。英国駐在武官時代にチャーチルの手腕を見て、英国侮るべからずとの考えを抱いたそうだ。吉田茂は軍人嫌いだが、中学出身の柔軟な辰巳とは気が合った2021/05/20

yamatoshiuruhashi

35
殆ど実戦経験、部隊指揮経験のない高級軍人と言ったら、日本を誤らせた昭和陸軍の中枢部を連想するが、同様に隊付将校時代を除けば部隊と離れていても独善に陥らなかった将官の足跡を負うことが日本の敗因を確認することになる伝記である。にしても、「あの時こうすればこんなことにならなかったのに」という当たり前の判断が出来ないで壊滅的敗北を喫するにいたるポイントのなんと多いことか。あらゆる情報を集め、偏見を持たず分析し、冷静に判断することが、なんと難しいことか。辰巳と白洲のような人物が今の日本にこそ必要だと思う。2019/07/09

ロッキーのパパ

12
陸軍内の知英米派として冷遇されていたことは知っていた。本書を読み、戦前は対米戦回避を解き、そして戦後の再軍備の必要性を早くから主張するなど、時代を読む目がしっかりした人物であることをより深く知ることができた。このような人物が主流になれないことが日本の残念なところだ。2014/07/14

筑紫の國造

10
戦前、戦中は陸軍屈指のイギリス通として、戦後は吉田茂の軍事顧問として活動した辰巳栄一の一代記。著者はジャーナリストらしく辰巳の息子や元部下の元をたずね、未刊行史料なども用いて稀代の情報将校の真の姿を描き出す。辰巳の生涯は、戦前に結んだ吉田茂との縁によって「軍隊無き世」に再び活躍の場を得るという点でドラマチックである。辰巳もまた、類まれなバランス感覚によって世相の大きく変わった戦前、戦後双方で存在感を放っており、特に戦後は「再軍備」を巡って吉田茂以上に時代を先取りしていたと言える。2024/01/14

fseigojp

4
児玉機関、岸信介、甘粕、里見と読んできて、吉田茂にとりかかろうとしていたら出くわした 白洲は有名になったが敗軍の将として秘密に徹したのはさすが このあたり参謀でなく情報将校の経歴が関係? ところで海軍情報部はどうだったのかな。。。。2015/01/17

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