出版社内容情報
北関東の紅雲町でコーヒーと和食器の店を営むお草。詐欺まがいの不動産取引について調べ始めると、因縁の男の影が。シリーズ第2弾。
内容説明
コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが…。
著者等紹介
吉永南央[ヨシナガナオ]
1964年埼玉県生まれ。群馬県立女子大学卒業。2004年、「紅雲町のお草」で、第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。同作を含む『紅雲町ものがたり』(文庫化に際し『萩を揺らす雨』に改題)で単行本デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yanae
190
紅雲町のお草さんシリーズ第2弾。今回も頑張るおばあちゃんお草さんの活躍楽しく読みました。にしても、相変わらず事件が表紙のほんわかさと比べて重たいものが多い。今回もお草さんの周りで大がかりな詐欺がおこったり、その真相に気づくお草さんに危険が迫ったり。小蔵屋の一年を綴った連作短編なんだけど最後はいろんな真相が明らかになります。お草さんよく頑張った的な感じでした。くみさんもお草さんもお店も平穏に続いてほしいな。いざ、3弾へ!2017/07/12
takaC
185
「日常のミステリー」というよりも、ただの「日常」?で、なんか実は暮らしにく町なんじゃないのか紅雲町?なんて思ってみたりして。2016/02/02
またおやぢ
145
「悪人にも五分の理あり」ということか。精一杯生きようとする人々がいて、それぞれの過去をずるずると引きずりながら、それぞれの立場や考えで、精一杯今を生きていることを、お草さんの慈愛に満ちた、それでいて哀愁の漂う視線で綴った物語。様々な想いの詰まった過去を抱きしめながらも、未来を向いて生きていくことの大切さを、エールと共に読者に伝えてくれる...そんなシリーズ第2作。由紀乃さんが戻ってくれているのが、驚きでもあり、嬉しくもあるそんな一冊。2016/06/21
紅はこべ
141
このシリーズ、第2作の本作だけ読み逃していたのだった。シリーズの中でも暗くて重い。香菜が脅迫から逃れられように、藤原に手を打たせることはできなかったのかな。久実は元から惚れっぽかったんだ。つくづく思うのは、草が経営者として有能だと言うこと。理念もしっかりしてるし。だから悪徳業者のカモにならないし、同業他社も太刀打ちできない。2021/06/08
ひさか
136
2011年5月文藝春秋刊。書下ろし。2012年11月文春文庫化。シリーズ2作目。事件を取り巻く状況が緻密で、はっとするような謎が、明かされる、ご近所もののコージミステリー。草さんがアクションシーンに巻き込まれるところがあったりする、一年間の出来事を綴ったこの話が、現8作中で、今のところ、いちばん好きです。2021/03/15