出版社内容情報
中国奥地に発した謎の疫病を契機とした人類と生ける死者との全面戦争。全世界を舞台とした衝撃のパニック・スリラー大作の原作小説。
内容説明
中国で発生した謎の疫病―それが発端だった。急死したのちに凶暴化して甦る患者たち。中央アジア、ブラジル、南ア…疫病は急速に拡がり、ついにアウトブレイクする。アメリカ、ロシア、日本…世界を覆いつくす死者の軍勢に、人類はいかに立ち向かうのか。未曾有のスケールのパニック・スペクタクル。大作映画化。
著者等紹介
ブルックス,マックス[ブルックス,マックス] [Brooks,Max]
1972年、ニューヨーク生まれ
浜野アキオ[ハマノアキオ]
1961(昭和36)年、宮城県生まれ。京都大学文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
50
ウィズコロナの時代に、ウィズゾンビの世界に耽溺す。感想は下巻で。2021/02/05
at-sushi@進め進め魂ごと
44
ブラピ主演の映画版は、巨費を投じたB級ゾンビ映画(B級じゃないゾンビ映画は稀だが)だったが、こちらはゾンビによる人類絶滅の危機を乗り越えた生存者達へのインタビュー形式で、世界規模の厄災の拡大と、人類の存亡を賭けた戦史が語られる仮想戦記的な趣き。冷血な軍略家が示した、小集団を囮に大集団を守る戦略は、「進撃の巨人」におけるシガンシナ区の役割のよう。下巻へ。2024/12/25
HANA
40
映画化という事でワンマンアーミー、ゾンビの群れに立ち向かう。というデッドラな内容を想像していたのだが、実際架空のはルポタージュ集だった。ルポの内容が互いに関連性を持っており、読み進める事でゾンビ禍の状況が明らかになっていく。その分人間が襲われる描写とかはほぼ無く、ゾンビ成分は薄め。以前読んだ『ゾンビ襲来』を思い出したが、向こうがイデオロギーを主とするのに対してこちらは人々や世界の流れを主としている。同じ思考実験ならこちらの方に軍配が上がるかなあ。それにしてもコレ、どうやってブラピ「主演」にするんだろう?2013/05/24
ちこたん
38
★★★★★いい意味で全く怖くないゾンビ小説。ゾンビ物といえば無条件にB級ホラーのイメージを抱きがちだが、本作は本格的なSFの要素が強く、とても面白い。ゾンビとの戦いを世界大戦と位置づけ、ゾンビの発生から収束までを大戦後に調査した国連職員のレポートの体をとっている。あくまでレポートなので恐怖感の無駄な煽りもなく淡々と進むが、世界各国の政治家から一兵卒まで様々な生き残った人達のインタビューから構成される世界観のリアルさは桁違いで、本当にそんな戦争があったのではないかと思えてくるほど。下巻に続きます。2017/03/02
ミツ
23
文庫にて再読。ゾンビ・パンデミックという未曽有の大災禍を生き延びた人々の声からなる傑作モキュメンタリー小説。学者や政治家、軍人、密輸ブローカー、そして名もなき普通の人々。複数視点の断片的な挿話の集積は、その背後にある語られることのなかった無数の物語を想起させ、それ故に世界規模の圧倒的なスケールを感じさせる。そしてさらにこれはゾンビという感情のない生ける屍を媒介にした、人間の感情、人間性の物語でもある。圧倒的な死の嵐を前にした人々の恐れ、怒り、戸惑い、怯え。そしてそれでも残る良心と誇りと希望の物語である。2016/03/05
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