出版社内容情報
「剃刀」と称される南町奉行所吟味方与力・秋山久蔵。多彩な脇役とともに江戸の悪党を容赦なく裁く、痛快人気シリーズ第15弾!
内容説明
不忍池の畔で男の死体が発見された。近辺では筆屋の主が大山詣りに出て怪我をし、女房と手代が店を休んで後を追ったきり、姿が見えないという。南町奉行所の秋山久蔵は、死体が筆屋で、女房と手代が事件に絡んでいると睨むものの、残された証拠に違和感を覚える。久蔵に息子が生まれ新たな展開を見せる、人気シリーズ15弾。
著者等紹介
藤井邦夫[フジイクニオ]
1946年北海道旭川生まれ。テレビドラマ「特捜最前線」で脚本家デビュー。以後、刑事ドラマ、時代劇を中心に、監督、脚本家として400本以上の作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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だいしょう@SR推進委員会
9
話の先がわかっちゃうことがままありますが、愛嬌として許します(笑)。時代小説の安定した面白さはさすがで、ついつい読んでしまうのです。あの久蔵が子供の親?、いったいどんなイクメン・パパになるの~?と、今回はそんな期待もありました。赤子を抱いて、「この子の軽さが重くなるに従い、父親としての実感も責めも重くなる」…なんとも御堅い感想を抱く久蔵。どうやら剃刀与力秋山久蔵は、「…」と冷笑を浮かべながら、赤ん坊をあやしているようです。2012/12/20
オレンジ。
6
垂込み 生き様 暑い日 余計者 の4編からなる連作短編2016/06/08
あかんべ
5
チーム秋山がサクサク事件を探索し、お縄にしていく。そんな中身体が動けない使用人はお家にとって余計者という言葉を聞いて、固まってしまう剃刀と言われた秋山、そんな人間臭さが好ましい。2012/10/14
ひかつば@呑ん読会堪能中
5
文春版の2巻目。久蔵の嫡男誕生にあわせた4本のお話、どれも楽しんだが5千石の旗本を相手に凄味を見せる「生き様」がいい。旗本等高い位の武家と相対する話はしばしば出てくるが、今回は20年ぶりに逢った弟弟子を絡めたのも良かった。2012/10/06
なつき
4
久蔵もいよいよ父親に。とはいえ、家族同然の家人が老いを理由に暇乞いしたときには動揺してしまうのがなんとも可愛らしい。2013/03/03