出版社内容情報
暮れなずむたそがれ時の酒場を漂流するフォークシンガーが描く、酒をめぐる抱腹絶倒ワンダーランド。酒食エッセイの最高傑作!
内容説明
雪見酒、叱られ酒、幻の酒、悪魔の酒、見せ酒、ハシゴ酒…(いずれも目次より)。酒にもいろいろあるけれど、飲まずにいられないのは皆同じ。今日も酒場を漂流する著者の、おかしさと哀しみに彩られた酔い心地を追体験できる名文の数々。なぎら健壱の酒エッセイの最高傑作!オリジナル(蔵出し)原稿も収録。
目次
ハムエッグな夜
天抜きで一杯
食堂車
カウボーイ
ホヤのお代わり
チューハイ
神も仏も
シュールはシュール
一見はお嫌いですか?
神聖なお酒〔ほか〕
著者等紹介
なぎら健壱[ナギラケンイチ]
昭和27(1952)年、東京銀座(旧・木挽町)生まれ。45年に岐阜県中津川で開かれた全日本フォークジャンボリーに「怪盗ゴールデンバットの唄」で飛び入り出演しデビュー。47年、ファーストアルバム「万年床」をリリース。以後、ライブ活動のほか、テレビ、ラジオ、映画等の出演、執筆などで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シブ吉
89
飲み屋を選ぶ基準は、「すがれた、年月を感じる店」と答える、なぎらさん。「佇まいのいい店」には積年のプライドがある。すがれた店の、すがれた店主を目の前にして呑む酒は至福だ。そんな思いをこめて、なぎらさんが入った店の数々をエピソードを交えて紹介のはずが、一癖も二癖もある店と酒にまつわる出来事を、軽妙洒脱な文章に乗せて語られ、もはや、やめられない止まらない。更には通販で買ったズボンやら、ゲテモノ食いなど、なぎらさんの言葉の魔術に踊らされてしまいました。なぎらさんは、今宵もまた、オツな店を探しているのでしょうか?2014/04/28
ばんだねいっぺい
33
落語調でお酒にまつわる面白い話をたくさん。連載を思い出したり、忘れてたり。オチがつきそうもないのに、ちゃんと見届けることでオチがつく。というよりオチがつくまで粘ってるのか。最後、具合わるくなってるのには、心配した。2020/10/06
緋莢
20
麹町の歴史を感じる蕎麦屋で「冷と天抜き」と頼んで出てきたもの、「バーボン」を置いていないホテルのラウンジに驚き、カバーをかけていたスクーターに幾度も置かれた四合ビンの謎・・・入った酒場でのトホホな出来事や、失敗談、酔っ払いたちの奇怪な行動などなどを軽妙に書いた酒エッセイ。2016/07/12
サーフ
17
タモリ倶楽部とかでのなぎら健壱がそのまま文章になったかのような軽妙な語り口のエッセイ集。1話長くても4ページくらいなので読みやすい。エッセイの主なテーマはタイトルの通りお酒にまつわるエピソード。お酒にまつわる個性的な人との関わりやエピソードは読んでいてニヤッとさせられる。紹介されるエピソードは嘘かホントか分からないような話も多いが引っかかることなく読めてしまうのはなぎら健壱という人物の人柄なのだろうか。2018/11/20
saga
17
昨夜は奇しくも飲み会。で、明け方に目が覚めてしまい、寝付けなかったので布団の中で本書を読了。著者の酒を中心とした交友関係の面白さは抜群だ。短いエピソードで綴られるネタの数々を、あっという間に読み終えてしまった。各所に配置された著者撮影のモノクロ写真が、末枯れた感が出ていて一層良かった。2012/05/31