出版社内容情報
新宿歌舞伎町に覇権を叫ぶ「怒羅権」。中国残留孤児二世、三世を主軸とする愚連隊の栄光と悲哀を描くノワール・ノンフィクション。
内容説明
中国残留孤児二世、三世を中心に組織された愚連隊、「怒羅権」。暴力団でも暴走族でもない彼らは、日本の裏社会に深く静かに根を下ろしている。だが、その素顔は誰も知らない―。歌舞伎町の闇に迷いこんだ著者が、「なしくずしの死」を生きるアウトローたちの野心と挫折を描いた渾身のノワール・ノンフィクション。
目次
プロローグ 歌舞伎町午前八時
第1章 境界線を生きるノワール・アクターたち
第2章 怒羅権の男
第3章 日本人たちの怒羅権
第4章 中国残留孤児三世と日本のヤクザ
第5章 中国人マフィアとその女
第6章 「なしくずしの死」を生き抜く
エピローグ 龍宮城の夢の跡へ
著者等紹介
小野登志郎[オノトシロウ]
1976年、福岡県生まれ。早稲田大学中退後、フリーのライターとして執筆活動を始める。在日中国人や暴力団、犯罪などについて深く取材し、各紙誌に発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おおとろ
6
☆☆☆☆ 再読2021/06/10
うたまる
3
中国残留孤児二世・三世からなる犯罪グループ、怒羅権についてのルポ。著者や解説者は、特に彼らの出自から語りたがる。それはヤクザに同和出身者や在日コリアンが多い、児童虐待する親は自分も被虐待児だった、というのと全く同じストーリーだ。しかし同じ環境下でもこのようなアウトローに魅入られる者は圧倒的少数であり、真の共通点は出自ではなく”流され体質”が正しい。尚、シリアスなルポながら「なんちゃってドラゴン」や「三日ドラゴン」がいるってのは面白い。それなら「ひょっとしてドラゴン」や「もう一度ドラゴン」もいるのでは?2016/05/29
靖
1
ニュースなどでよく名前を耳にする「怒羅権」。複雑な境遇が生んだ不良グループの実態を知りたい方にはオススメ。2012/05/01
藍兒堂
0
★★☆
いると
0
元々実感がわかない世界の話ではあるのだが、この手のルポの中では特に物語名がイメージがするのは何故だろう。実際ルポライターがどういった気構えでこの手の取材に挑むのか私は知らない。彼らが自分で決めたぎりぎりのラインから身を乗り出すようにして覗いた世界の一端を読者は覗き見しているだけなのだから。そしてそれすらも過去の話になってしまっている。今がどうなのかは憶測するしかない。2013/09/30