出版社内容情報
世界を神の偉大な「書物」にたとえ、その読解可能性を模索する歴史を、古典古代から現代の分子生物学に至るまで、著者独自の「メタファー学」の観点から分析する刺激的な試み。人間の自己理解、世界理解にとってのメタファーの機能とその役割を解き明かす。
目次
経験可能な全体のためのメタファー
書物世界と世界書物
書物としての天上、天上の書物
字母の比喩
啓示の書物と自然という書物、後者の台頭と遅滞
世界という書物の読者としての文盲の俗人
神の二つの書物は一致する
読解可能性の不均衡
人間世界の暗号化と解読
世界の年代記、あるいは世界の公式
ロビンソン世界対ニュートン世界
十九世紀への接近における諸傾向
ハンブルクの自然という書物とケーニヒスベルクでのその反映
額のしるし、天上のしるし
「どのようにして自然という書物が私にとって読解可能になるのか…」
「世界はロマン化されなければならない」
絶対的書物の理念
自然という書物のような自然についての書物
空虚な世界書物
夢解釈の準備
夢を読解可能にする
遺伝子コードとその読者
著者等紹介
ブルーメンベルク,ハンス[ブルーメンベルク,ハンス] [Blumenberg,Hans]
1920‐1996年。ユダヤ人の母のもと、ドイツのリューベックに生まれる。パダボルンとフランクフルトで哲学と神学を学ぶ。1950年キール大学で教授資格を取得。60年ギーセン大学正教授、この頃エーリヒ・ロータッカーの推薦でマインツのアカデミー会員となり、独自の“メタファー学”の構想を発表。63年“詩学と解釈学”の設立メンバー、65年ボッフム大学に移り、70年から85年に退官するまでミュンスター大学教授を務めた。クーノ・フィッシャー賞やドイツ言語文芸アカデミーのジークムント・フロイト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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