出版社内容情報
前科持ち青年・三上は、刑務官・南郷と記憶の無い死刑囚の冤罪をはらす調査をするが、処刑まで時間はわずか。無実の命を救えるか?
内容説明
無実の死刑囚を救い出すために与えられた期限は三ヶ月、報酬は一千万円だった。不可能とも思える仕事を引き受けた二人の男に待ち受けていた運命とは―手に汗握る展開と、胸を打つ驚愕の結末。現代社会の罪と罰を問い、圧倒的なサスペンスで読書界を震撼させた江戸川乱歩賞受賞作。『十年ぶりの後書き』収録。
著者等紹介
高野和明[タカノカズアキ]
1964年生まれ。映画監督・岡本喜八氏に師事し、映画・テレビ・Vシネマの撮影スタッフとなる。その後、脚本家を経て小説家に。2001年『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を、2011年『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
143
再読。4年以上経って読んだが、ほぼ覚えてたのはさすがの傑作。樹原の冤罪をはらそうとする南郷と三上の奔走と近付く死刑執行、このスピード感が堪らない。そして真相が分かったようではっきりしないモヤモヤにページをめくり、ラスト前の驚きの事態に混乱!最後は2人の身を案じながら夢中になってしまう。“死刑”の仕組みを説明しながら、それを受ける側行う側両方の苦悩を描いて心揺さぶられる。2016/04/15
takaC
127
なぜ版元が変わったんでしょうね。内容は同じだが(自分は)講談社文庫の方が読みやすいと思う。2015/11/01
やきいも
92
江戸川乱歩賞受賞作品。ドキドキハラハラする展開のミステリーが読みたい方におすすめの一冊です。無実の死刑囚を救う為、ある男が高額の報酬で二人の男を雇った。死刑執行の日はせまってきている。二人の男は死刑囚を救えるのだろうか...。最後が気になって一気に読んでしまいました。法律に関する説明はやや難しいけど、それ以外のところは文章も読みやすかったです。2015/08/31
chikara
88
ジェノサイドに続き13階段です。死刑制度・罪と罰への問題提起から考えさせられ、そしてスリリングな展開が待ち受ける良質な作品でした! 高野氏は凄い!2014/01/28
チーママ
64
この物語を貫いているのは、無実の死刑囚を死刑執行するなどという愚かな行為は決してあってはならないという信念だと感じました。執行の日が近づく無実の死刑囚を救うために、自らの辛い過去に苦しめられながらも奔走する元刑務官と仮出所中の青年。彼等の揺るぎない決意と身命を賭して奮闘する直向きな姿に心が震えました。長い道のりは二転三転。冤罪を晴らすということがいかに困難なことなのかということを思い知らされた気がしました。重い内容でしたが読むことができて本当に良かったです。発刊から20数年経った今も心に響く名作でした。2023/03/23