出版社内容情報
世界初の先物市場・堂島で仲買として相場を張る吉之介は、幼馴染のかたきを討つため、凄腕・十文字屋に乾坤一擲の勝負を仕掛ける。
内容説明
大坂・堂島で米の仲買を営む吉之介は、同業の幼馴染と女郎の心中を不審に思い、死んだ女郎と同じ店の天神・初嶋に接触。事件の裏に新興の仲買、十文字屋がいることを探りあてる。吉之介は仇をとるため、相場で乾坤一擲の勝負を仕掛けるが…。世界初の先物市場、堂島の米会所を舞台に丁々発止の頭脳戦を描いた経済時代小説。
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年、岐阜県に生まれる。一橋大学卒業後、電機メーカーに勤務。96年に「一所懸命」で第64回小説現代新人賞を受賞し、デビュー。98年『簒奪者』で第5回歴史群像大賞受賞。2003年に『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞、04年「村を助くは誰ぞ」で第28回歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で第14回中山義秀文学賞を、それぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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BlueBerry
33
米の相場ものは好きなのでそれなりに楽しめました。ラストは一応「倍返し」みたいな感じでスッキリします。ひねり」が少ないのが難点か・・。2013/10/27
タツ フカガワ
5
初読みの岩井三四二本。大坂堂島の米市場を舞台に、仲買の吉之助の、幼なじみ藤吉の心中事件の真相を絡めた終盤の仕手戦は、手に汗にぎる面白さ。他の作品も読んでみたくなりました。2019/08/27
sai
4
再読! どうしても富樫倫太郎「堂島物語」を思い浮かべながら読んでしまうんだよねぇ~(^_^;2016/05/11
kaorin
4
相場はジェットコースターのように乱高下してあまりにスリリング過ぎる。自分の判断を信じてじっと我慢できるか、機動的に損切りできるか、時々で臨機応変な判断でストレスが半端でなく気の休まる時がなさそう。2015/03/21
goodspell
4
著者にしては珍しく中世ではなく近世を舞台とした作品。ただし、市井の人びとの生活世界を描く、著者特有ともいえるスタンスは維持されていた。 経済頭脳戦を描く時代小説。緩急、上下する米相場のスピード感に相乗りして、一気に読了。2011/10/12
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