内容説明
死者からの電話、人形の怨念、線路にしゃがむ老婆、自動販売機から伸びる手、死神に救われた話…。京都の古刹・蓮久寺の三木大雲住職が相談を受けた怖~い出来事、不思議な話、怪奇譚の数々。テレビの「怪談グランプリ」で堂々準優勝の名人が語る現代版「耳袋」。見えない世界に触れることで、あなたの人生は変わる―。
目次
第1章 恐怖
第2章 怨霊
第3章 輪廻
第4章 邪気
第5章 冥界
第6章 京の闇
著者等紹介
三木大雲[ミキダイウン]
1972(昭和47)年京都の寺院の次男として生まれる。立正大学仏教学部在学中、日蓮宗宗立谷中学寮、熊谷学寮で学ぶ。その後、多くの寺院で修行を積み、2005(平成17)年、京都の光照山蓮久寺の第38代住職に就任。布教のための法話に熱心に取り組み、京都日蓮宗布教師会法話コンクールで最優秀賞を受賞、関西テレビ「怪談グランプリ」で準優勝など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
317
怪談和尚のシリーズ1作目は百七十数頁と本の厚みと長さは薄めでしたが中身と内容は濃くて楽しめましたよ。本書を読んで感じたのは、著者の話は基本的に昔ながらのオーソドックスな怪談噺で、怪談と言えば怖いに越した事はないのですが、和尚さんのお人柄で例え怖い噺でなくても何れにせよ読者は間違いないという安心と信頼感を感じて読んでいるのではないだろうかという事ですね。今回は定番の怪奇話と心打たれた話の2つを紹介しますね。『背中の痛み』ある男性が突然背中に痛みを感じて病院に行ったが原因不明で痛みは激しくなり別の病院に行く。2021/12/13
夜間飛行
228
霊の仕業と思える話も多いが、相談者は、情念の強い働きかけによって他人のつらい体験(事故や苛め等)を自分のこととして追体験しているともいえる。それも煩悩の為せる業なのだろう。お坊さんである著者は話を聞き、お経をあげるという形で(時にはより実際的に)関わっていく。専門の知識、経験、覚悟がなければできないことだろう。説話というのは昔からある形式だが、こうして本にして読者が受けとめ直すことによって、何かが或る程度は解消できるのかも知れない。怖い話だけでなく、心温まる話もあり、煩悩とどう向き合うかを考えさせられた。2023/08/15
yoshida
108
日蓮宗の住職さんによる作品。表紙が独特だが、ただの実話怪談と異なり仏教による生きる指針も書かれた良作。ただ恐ろしい内容ではなく、考えさせられる話しや、有り難みのある話しもある。これは住職さんの力によるものだろう。親族の霊が登場する話しが何編かあり、考えさせられた。他にも、罪を犯した、もしくは自責の思いがある人達が許される話しも何編かあり心に残った。ただの実話怪談とは異なる作品。今ある自分は過去の積み重ね。未来の自分は毎日の積み重ね。怒りは何にもならない。私も毎日を丁寧に感謝しながら生きようと考えた。良作。2021/07/25
ゆみきーにゃ
96
シリーズ一作目。特別怖いお話はなかったがすごく読みやすい。和尚さんの人柄を感じさせる文章。京都、怪談、和尚さん、すごく魅力的な一冊。2020/07/22
keroppi
80
図書館の新刊本コーナーに置いてあったのを見つけて読んでみた。京都のお坊さんのお話。中には、恐ろしげなものもあるが、多くは説話的。目に見えないものを、ないがしろにしてはいけない。京都の町には、やはり多くの霊がいるのだろうか。2019/09/24