出版社内容情報
切支丹迫害に深く切り込んだ異色作「旅」、奥羽列藩同盟と官軍の激戦を描いた「武士の城」の2篇を収める。全12巻、毎月順次刊行。
目次
天皇を中心とした国体の確立を急ぐ明治新政府は、神道国教化政策を推進、公然とキリスト教徒の弾圧を続けていた。浦上切支丹の迫害を通じて、日本人が初めて自覚した人権の様相を描いた「旅」は、全巻を通じて極めて特異な一章である。奥羽越列藩同盟の成立過程を詳述した「武士の城」と、渾身の二篇を収める。
著者等紹介
大佛次郎[オサラギジロウ]
明治30(1897)年、横浜市生れ。本名・野尻清彦。長兄は英文学者の野尻抱影。大正10(1921)年、東京帝国大学政治学科を卒業後、鎌倉高等女学校(現・鎌倉女学院高等学校)教師となったが、翌年外務省条約局勤務(嘱託)に。13年、鎌倉の大仏の裏手に住んでいたことに由来する大佛次郎の筆名で、「隼の源次」、ついで「鞍馬天狗」シリーズ第一作「鬼面の老女」を発表、作家活動をはじめる。時代小説から現代小説、歴史小説、ノンフィクション、エッセイと、幅広いテーマとスタイルで多くの作品を手がけた。昭和48(1973)年4月30日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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