出版社内容情報
雨の中あでやかな傘の群れが舞うと人が死ぬ。江戸を騒がす連続殺人事件と明日の天気をぴたりと予言する女の謎に根岸肥前が迫る!
内容説明
雨の中あでやかな傘の群れが舞うと、死体がひとつ―「ひときり傘」が引き起こす連続殺人事件が江戸の町を震撼させる。一方、明日の天気を奇妙なほどぴたりとあてる女おせんが誘拐されて…。毛の雨が降り、川が血の色に染まり、雷の糞が取りざたされる江戸の天変地異に根岸肥前守が挑む、書き下ろし妖談シリーズ第六弾。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒業。93年、『黒牛と妖怪』で第17回歴史文学賞を受賞。2002年に、第1回北東文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まるる
45
信仰は恐ろしい。今年になってISISの残忍なテロ活動を目の当たりにしただけに、このタイミングで読んだ事で余計に恐ろしく思う。度々でてくる「闇の者」って何?と思ったら、この本は第6弾だったんですねぇ。電子書籍で無料DLしたので、1弾だと思い込んでました。どうりで話が見えないわけだ(;´∀`) どこから読んだらいいのやら。風野さんの小説の世界は入り組んでて困るわ~。2015/05/06
うずら
20
耳袋秘帖その20・妖談シリーズ第6巻。だんだん闇の者の正体が明らかになってきましたね。そして今回も、暗く救いのない終わり方でした。ところで、ひびき姉さんは宮尾を諦めてしまったのでしょうか。姉さんの心情が切ないです。宮尾がひびきに惚れてしまえばいいのに。しめさんの活躍も増えていて、清香親分になる日もそう遠くないのかしら?2014/05/19
Hugo Grove
17
今回も暗躍する御法度のキリシタンと暗殺集団。文字通りあと一歩のところですり抜けられる。椀田姉ひびきの恋心も宮尾同心の恋心も切ない。切ないからこその恋なのかもしれない。2018/01/09
二分五厘
17
雨の日に傘の花が咲き、散った後に死体がひとつ。江戸の町で連続する艶やかな殺人事件。被害者に繋がりはあるのか。メインの事件の周りで起こる妖しい噂。羽の雨が降り、血の川が流れる。嵐の夜に小者が妖かしに喰われ、雨の夜に物悲しい笛の音が鳴り、雷様が糞を落とす。それが収束した所に見え隠れする、さんじゅあんさまの影。一冊とばしているので、急にさんじゅあんさまがクローズアップされたような。天候に左右される話ばかりなので、全編通して晴れ間がなかった印象。雨さえやめば今日の殺しはおこなわれない…雨のお江戸はきれいなのだ…。2016/04/23
ひかつば@呑ん読会堪能中
16
いくつかの謎解きは相変わらず楽しめたが、殺しを請け負う闇の集団とバテレンさんじゅあん。こいつらを追う話は結末があるのかしら?前巻から何も進展していないような...2013/04/24