文春文庫
俳風三麗花

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167774011
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

昭和7年夏、秋野暮愁が主催する暮愁庵句会で出会った三人娘―大学教授の父を亡くしたばかりの阿藤ちゑ、東京女子医学専門学校の学生・池内壽子、そして浅草芸者の松太郎。句会を通して友情を育む娘たちの恋模様を、古き良き東京を背景に瑞々しく描く。読めば思わず一句詠みたくなる、出色の“句会小説”。

著者等紹介

三田完[ミタカン]
昭和31(1956)年、埼玉県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、テレビディレクター・プロデューサーとして活躍。平成12(2000)年に「櫻川イワンの恋」で第80回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。19年には『俳風三麗花』が第137回直木賞の候補作となる。句作も手掛け、現代俳句協会会員、俳誌「水明」同人(俳名は長谷川知水)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

97
昭和初期 句会を舞台に 三様の恋が 描かれた作品である。 俳句の薫りが 緊迫した社会情勢とは裏腹に、 優雅な雰囲気を醸し出す。 肝心の恋心が 俳句で表現されるので 正直 読みにくいのが 残念…この時代の 価値観が ぼんやりと伝わる、そんな物語だった。2022/09/23

新地学@児童書病発動中

35
感想を書くのが遅れてしまったが、これは良い本だった。俳句を作ることが物語の中心に据えられているところが斬新。句会の描写は特にスリリングで、ぐっと引き込まれる。3人の女性たちが主要な登場人物で、彼女たちの恋愛も描かれており、3人の心の状態が作句に微妙に反映されるところが面白かった。戦前の古き良き東京を伝える端正な文体もこの作品の魅力。私の大好きな向田邦子の世界と共通するものを感じた。2014/01/04

高橋 (犬塚)裕道

7
星4。面白い!何と言って良いか分からないがとても良い雰囲気が溢れている。三麗花、心の動きも面白い。2020/01/04

りほ

4
今年読んだ中で一番かもしれません。俳句は母がやっているのでほんの少し囓ったことがある程度ですが、全く俳句に馴染みのない方が読んでも十分に楽しめます。句会に通う若い3人の美女それぞれの悩み、恋、友情等の描写もいきいきと闊達でいて風情と品格がある。それぞれ若い身で肉親の死を経験している設定ですが、全てにおいて全く押しつけがましさがない文章の巧みさと潔さ。句会の場面もわかりやすくて興味深いし、読み始めたら続きが気になって止められないのです。素晴らしい一冊でした。初めての作者でしたが、他の本も気になります。2013/06/17

かのこ

3
舞台は昭和初期の東京。句会という風流な世界で、女3人がそれぞれに恋をしたり、友情を深めていく。17文字に込められた風景や感情。俳句っていいなと思いました。2015/03/16

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