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文春文庫
身体を通して時代を読む―武術的立場

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167773984
  • NDC分類 789.04
  • Cコード C0195

出版社内容情報

閉塞感のある社会に風穴を開ける2人が、縦横無尽に語り合った教育改革、若者の知的問題、飽食のジレンマなど、憂国的武術対談!

内容説明

『「学び」とは別人になること』、『「生きている実感」に火をともす』、『あらゆる社会制度の分岐点で』―。日本が抱える喫緊の課題の解決策を、介護、教育の世界からも注目を浴びる武術研究者・甲野善紀と、フランス現代思想の研究者にして合気道六段の内田樹が、武術的視座から解き明かした画期的憂国対談。

目次

第1章 自己をみつめる方法としての武術
第2章 生き延びるための力
第3章 師は何も教えず、弟子は学ぶべきものを学ぶ
第4章 「学び」とは別人になること
第5章 進化の仕方を進化させる
第6章 「生きている実感」に火をともす
第7章 フィジカルに沁み込むことばを
第8章 あらゆる社会制度の分岐点で

著者等紹介

甲野善紀[コウノヨシノリ]
1949年東京生まれ。武術研究者。20代初めから「人間にとっての自然とは何か」を自らの身体を通して探究しようと武の道を志す。78年、松聲館道場を設立し、独自の武術研究の道に入る。その技と術理がスポーツ、楽器演奏などに応用されて成果が上がり、介護、工学、教育等の分野からも関心が高まり、神戸女学院大学の客員教授も務めた

内田樹[ウチダタツル]
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒。東京都立大学大学院博士課程中退。現在、神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。2007年『私家版・ユダヤ文化論』で第6回小林秀雄賞を受賞。『日本辺境論』で新書大賞2010を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うりぼう

94
構造主義で「ほ~っ」と思った内田先生、「百式」の田口さんから「バスケットボール革命」を紹介され「え~っ」と思った甲野先生。この2人の対談を外すわけにはいかない。数ページに1度は折り目が入る。前半は、内田先生、優勢だが、後半は、甲野先生、いけいけ。「人間にとって自然とは何か」、「完璧に人間の運命は決まっていて同時に自由である」ことを身体を通じて実感したいと甲野先生。その壮大な目論見の前に内田理論もたじたじ。「口伝」をなめんなよと甲野先生。説明できないが、目の前にある事実から逃げないことが、科学的態度である。2010/10/12

おさむ

37
対談本が増えてくるのは、売れっ子作家の宿命か(ex.佐藤優)。とはいえ、この作品は10年前のもの。脳ではなく身体で感じることの大切さを説くのは養老孟司センセイとも共通します。「一度もスランプがない」と言うご両人の生き方に憧れます。それこそが身体で感じるということなのかもしれません。現代社会を生き抜く合言葉は野蛮人たれ!でしょうか。2016/05/04

たかぴ

22
人に何かをどう教えればいいのかを考えさせることだと思いました。教わる、つまり受け身になる知識はそこで思考が止まってしまい、それ以上は求めない頭を作ってしまう。そのような教育でサラリーマンを作り成長発展してきた日本ではあるがそれでは尻窄みになり、実際にAIに取って代わられる人材を育てているように思う。身体を動かすことを通してどう上達するかを自分で考えることで身につける。それが成長するということ、と教わりました。成長した後にもう一度読み直して違う箇所で気付きを得て変化を実感したい。ありがとうございました。2019/11/14

baboocon

18
内田樹氏と武術家の甲野善紀氏の対談をまとめたもの。主に身体感覚をおろそかにした現代日本社会を憂慮する内容。「『学び』とは別人になること」「変化の仕方そのものが変化するのが『天才』」など気になるフレーズがちらほら。科学では説明しきれないという甲野氏の身体操作術に触れてみたい。常に自らの術理を新しい仮説を立てては壊していく姿勢も見習わなくては。2012/09/18

佐島楓

17
甲野氏の流れるような柔らかさと鋭さに驚いた。表現力もそうだし、何より言葉に重みがある。生きかたも肩肘張った感がなく素晴らしい。ほかの本も探してみようかな。内田先生を通じて凄い方に出会ってしまった。2011/07/07

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