出版社内容情報
舞台は戦国期の京。公家の山科言継と家来の掃部助は、庶民の相談に興味を持つのだが、彼らのせいで事態はさらに混乱してしまう。
内容説明
権中納言ながら物好きの貧乏公家・山科言継卿とその家来で世話好き女好きの大沢掃部助は、庶民の様々な揉め事に、もうけ話の匂いを嗅ぎつけ首を突っ込むが、事態はさらにややこしいことに。鉄砲の登場や蹴鞠など混乱する室町末期の京の世相を描き、笑いとペーソスが融合した著者真骨頂のユーモア時代小説。
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年、岐阜県に生まれる。一橋大学卒業後、電機メーカーに勤務。96年に「一所懸命」で第64回小説現代新人賞を受賞し、デビュー。98年『簒奪者』で第5回歴史群像大賞受賞。2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞、04年「村を助くは誰ぞ」で第28回歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で第14回中山義秀文学賞を、それぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
53
面白かったです。室町時代を舞台にした時代小説でした。人々の悩みのために首を突っ込む公家と家来の短編集。ややこしい方向にいってしまうのは名手が迷手になってしまうからでしょう。人々の可笑しさとユーモアが気に入りました。2023/03/26
うみろー
9
飄々としている掃部助が面白い、「まろ」な世界。「毬を高く蹴りあげよ」が良かった。2015/09/20
ikyo_01
6
実はこの本2話目の途中で一度挫折しました。再び手に取り何とか読了。時代であったり職業であったり立場であったり、問題を抱えている人をなにやらひょうひょうとした掃部助の手腕?で解決?していくのだけれども・・ 。 ちっとも難しい話ではないんですけどね。2010/10/16
まめの助
2
★★★☆☆室町末期の人々の悩みに首を突っ込むお公家さんと家来のお話。この2人にそんなに存在感はない。(笑)人間の可笑しさがユーモアたっぷりに描かれ、当時のお仕事や生活の様子がよくわかるのも面白い。侍から転職しようと悩む男が鉄砲の指南者として己の道を見つけたお話がよかった。2022/09/03
豆狸
2
文庫ではなく単行本でした。主人公は山科卿ではなく、青侍の掃部助さんのような・・・戦国時代にあっても貧乏公家であっても飄々と生きている様が面白い。なんですが、今一つ乗れず。2017/10/01