文春文庫
黒澤明vs.ハリウッド―『トラ・トラ・トラ!』その謎のすべて

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  • サイズ 文庫判/ページ数 585p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167773533
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0195

出版社内容情報

真珠湾を描くハリウッド大作で黒澤はなぜ解任されたのか。米側の資料からその軌跡を再現した迫真のドラマ。大宅賞ほか3賞を受賞。

内容説明

黒澤明監督による日米共同製作映画『トラ・トラ・トラ!』。1968年12月、撮影開始直後、なぜクロサワは解任されたのか。この日本映画界最大の謎に迫った、ノンフィクションの金字塔。本書は、大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞、大佛次郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞の史上初4冠受賞作。

目次

第1章 桁外れの男たち
第2章 天の召命
第3章 クロサワ・マジック
第4章 シシュフォスの苦行
第5章 クロサワのこだわり
第6章 “ドキュメント”破滅への秒読み
第7章 “検証その一”思いこみの謎
第8章 “検証その二”診断書の謎
第9章 “検証その三”契約書の謎

著者等紹介

田草川弘[タソガワヒロシ]
1934(昭和9)年、東京生まれ。早稲田大学文学部英文科卒業後、貿易実務、NHK記者、AP通信記者、東海大学教授などを経て、執筆活動に入る。放送ジャーナリズムの原点といわれるエド・マローの研究者。『黒澤明vs.ハリウッド』で、ノンフィクション作家として史上初の4冠受賞を達成した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

189
第38回(2007年)大宅壮一ノンフィクション賞 第28回(2006年)講談社ノンフィクション賞。 真珠湾攻撃を描いた映画「トラ トラ トラ!」の 黒澤明監督解任に まつわる物語である。 映画製作における黒澤明と ハリウッドとの 対立が 詳細に 今に蘇る。 黒澤を起用した自分が自分の手で 彼を解任する羽目になる..エルモが語る 寂しそうなエピローグが心に残る物語だった。2017/08/01

goro@the_booby

39
黒澤明「トラ・トラ・トラ!」解任劇の謎に迫るノンフィクション。解任されたのは撮影開始後の事だったんですね。日本側に当時の資料もなくアメリカで見つけた資料を基に克明に描き出す。思うように捗らず壊れて行く巨匠は裸の王様だったのか?フォックス側も資金提供だけであればこんな哀しい事にはならなかったかもしれない。悲劇を描きたかったのに黒澤自身の悲劇になってしまった。しかし素人が主役じゃあまりにも荷が重すぎたし脚本の改訂も黒澤の本意ではなかったでしょうにね。様々な要因がこの事件を構成していったんだなと感じた。好著!2016/07/10

yamatoshiuruhashi

25
「トラ!トラ!トラ!」の日本側監督に黒澤明が就任することを知った小僧だった私は、ただ日本人だということで嬉しかった。役者の大半を素人で起用するという話は新鮮で、彼らが士官の制服を着て臨んだ記者会見の様子を、週刊誌のグラビアで親の目を盗んでみて、何故、三船敏郎でないのか残念だった。そして黒澤解任のニュースに本当にがっかりした。それでもこの映画を公開時に満員の映画館で階段に腰かけて親父と一緒に観た。画面いっぱいの飛行機に驚いたのが中学2年生の時だった。その背景にこんな物語があったとは。2017/11/03

つねじろう

16
黒澤明が監督途中解任となった「トラ・トラ・トラ」の真相に迫る。文化も言葉も習慣も違う相手と仕事をするのだから、ただでさえハードルが高いのに、あの黒澤明だよ、大体が黒澤映画の研ぎ澄まされた繊細さと狂気を孕んだリアリズムが、大雑把なハリウッド映画と上手く折り合いがつくワケがない。と考えてマネジメントする人物が居なかった事の悲劇かなあ。そういった不幸が監督黒澤明を追い込み、歯車が狂わせ、焦燥から狂気と衰弱をもたらし、遂には破綻する状況が良く書かれている。まあ黒澤明をマネジメントすること自体が難しいだろうけど。2013/09/10

yakisoba

9
今の時代で考えたら、ハリウッドの映画会社が宮崎駿にスターウォーズを作らせようとするぐらい無謀なプロジェクトだったと思う。当時仕事が干され気味で曲がり角に来ていた黒澤が起死回生の気持で仕事を請けたはいいが壮大に失敗し、自殺未遂まで繋がる流れは、後に監督する『乱』のストーリーに重なるものを感じた。2012/08/01

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