文春文庫<br> 泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉

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文春文庫
泣き虫弱虫諸葛孔明〈第1部〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 646p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784167773083
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

口喧嘩無敗を誇り、いじめた相手には得意の火計(放火)で恨みを晴らす―なんともイヤな子供だった諸葛孔明。奇怪な衣装に身を包み、宇宙の神秘を滔々と説いて人を煙に巻くアブナイ男に、どうしてあの劉備玄徳がわざわざ「三顧の礼」を尽くしたのか?新解釈にあふれ無類に面白い酒見版「三国志」待望の文庫化。

著者等紹介

酒見賢一[サケミケンイチ]
福岡県生れ。愛知大学卒業。平成元年『後宮小説』で第1回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。平成4年には『墨攻』他で中島敦記念賞、平成12年には『周公旦』で新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hanchyan@だいたいなら御の字

43
諸葛亮公明。てかこれじゃパタリロだぞ(笑)或いはこまわりくんとさかむけ小学校の面々か!?(笑)でもって地の文(ナレーション)は「まる子や。それでいいのか一体…」って、キートン山田氏の声が否が応でも脳内に谺する!!(笑)。いやあ…。序文(というか講釈師の口上)でもうはや鷲掴まれ(笑)以降、抱腹絶倒が延々と続く。と思いきや、鋭い洞察・思量やメタに関する文学論(的ななにか)がちょこちょこっと垣間見えるから油断ならない!こんだけひねくっても徐々にちゃんと盛り上がる「三国史」って物語の体幹がよっぽど頑丈なんだなあ!2016/01/25

shikada

28
稀代の名軍師、諸葛孔明にスポットを当てて三国志を語り直す小説。三国志は昔に児童向けのを読んだきりで、その時は正義の蜀、悪の魏というイメージだったけど、この小説を読んで少し印象が変わった。曹操は普通に名君じゃないかという気がする。著者の突っ込みが入るだけで、三国志がこんなに面白くなるとは思わなかった。宇宙を語る孔明に対して「お前はホーキングか」と突っ込みを入れられるのは酒見さんくらいだろう。2021/05/31

みつ

25
『三国志演義』も吉川英治作品もきちんと読むことなしにこの本を手を取る。英雄豪傑が戦いに明け暮れ平然と大勢が殺戮される物語はどうにも好きになれないが、この本が諸葛孔明ひとりに視点を当てたのであれば、違ったものが得られるかと思ったのが読み始めた動機。『三国志』の全体を再構成したものではなく、中盤の孔明登場のあたりから始まり、この物語の記述に作者が註釈(というよりツッコミ)を入れていく形で進んでいく。やや間延びする場面もあるが、外から眺める作者の手にかかれば誰もがどうしようもない小人物になっているのが面白い。2024/08/07

てふてふこ

25
これで五度目程の再読にして上書き。酒見さんが書く三国志は自分にドンピシャ。言葉巧みにつっこんでつっこんで、笑いを誘います。今回読んで一番楽しかったのが、孔明に会えず帰宅中の無節操天邪鬼男・劉備が崔州平と出会い、誘ってみるが振られる。「関羽、張飛にちぇ、振られちゃったよブラザー、と照れ笑いしながら振り返った(様に見えた)」。各々の人物像を細かく書いているので、この時のシーンが上手く想像出来過ぎて爆笑。三国志を身近に感じさせてくれるシリーズです。2016/05/26

瀧ながれ

25
『三國志』がなんか苦手で、諸葛孔明って胡散臭いよ、と言ってファンから説教された過去。…いました、最高に胡散臭い孔明。作中に著者の声が入っていて、思わず「なるほど」とか「オイコラ」とか、声が出ます。孔明だけでなく、劉備も関羽も、かなりひどいキャラクターになってます(張飛はもとから…)。分厚いので積んでましたが、もったいないことした〜!2014/09/13

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